今年1月に三重県の交流事業で2週間の訪日研修を受けた、ブラジル三重県人文化援護協会(広瀬哲洋会長)の「みえ友パウリスタ」4人のうち3人が22日晩、サンパウロ市の大志万学院(川村真由実校長)で年末に訪日する生徒や教師ら60人の前で1時間ほどの三重県紹介イベントを行った。
今回のイベントは、昨年50周年を迎えた姉妹提携が緊密な交流関係を継続していることを背景に、財源を総務省から得て、県庁と県人会が共同で行う取り組みの一環として行われた。今回と27日のうどん会、11月の忍者イベントという一連の三重県PRイベントを支援する中央開発株式会社(CKC)の松酒デビット秀徒さんが司会を担当。彼は同校の日本語学校「松柏学園」OBでもある。
今回、大志万学院で三重県PRイベントを行ったのは、在校生49人が12月19日から2月9日まで日本などを体験旅行するためで、三重県庁の表敬に加え、高田学苑とセントヨゼフ女子学園と交流を行う予定で、両校からのメッセージ動画も上映された。
大志万ではこの訪日使節団を1973年から隔年実施し、日本語日常会話の習熟に励み、皇居一般参賀、姉妹提携を結ぶ千葉県君津市小櫃小・中学校交流、伊勢神宮参拝、広島で平和記念資料館見学など各地で様々な体験をする。
当日、みえ友パウリスタのうち塩野エジソン三重県人会剣道部長(49歳、2世)、親川哲也ルーカスさん(21歳、4世)、高橋一郎ビットルさん(23歳、3世)が、昨年に研修で訪れた三重県総合博物館、国内最大級のイルミネーション「なばなの里」、江戸時代の宿場町「関宿」、伊賀忍者の里、熊野古道、伊勢神宮などでの体験をパワーポイントで30分余り紹介した。
塩野さんは「特に伊勢神宮は神秘的な場所。鳥居から先は神域で、日本国民からとても敬われており、風、太陽、岩など自然のものに力が宿っていると実感できるところ。ぜひそれを自分で体感して」と薦めた。
ルーカスさんも「関宿で服部半蔵の子孫から見せてもらった、織田信長が本能寺の変で亡くなったから忍者衆は逃げよという当時の手紙から凄まじい歴史を感じた」、ヴィトルさんは「伊賀の里に住む忍者の先生は畑を作って自給自足の生活をし、毎日忍者の研鑚に励んでいた。あの生き方に僕はインスピレーションを受けた」としみじみ講演した。
最後の質疑応答では生徒から「松阪牛を食べるにはいくらかかる?」「伊勢海老は?」「ウナギは?」などの質問が矢継ぎ早に飛んでいた。生徒の一人、岡崎フェリペさん(15歳、3世)に感想を聞くと、「松阪牛を食べ、伊勢神宮の参拝がしたくなった。三重県を訪問するのが楽しみ」と笑顔を浮かべた。
三重県はサンパウロ州との姉妹提携の趣旨を踏まえ、交流事業の参加者を「みえ友パウリスタ」と命名して現地PRを委嘱している。インスタグラム、Youtube、TikTokのアカウント名「mieamigos」。