南米ベネズエラの外務省は24日、同国のBRICS加盟をブラジルが拒否したことを「侵害」と定義し、「敵対的な行為」だと指摘したと同日付ポデール360など(1)(2)が報じた。マドゥーロ大統領は22〜24日にロシアで開催されたBRICS首脳会議に、主催国から招待を受けて参加し、すでにBRICSの一員であるかのような振る舞いや言動を見せた。(3)
このブラジルへの非難は、ベネズエラのイヴァン・ギル・ピント外相による声明を通じて行われ、ブラジルの決定が「BRICSの本質や姿勢と矛盾している」と主張。ルーラ政権はボルソナロ前大統領の「最悪の部分」を保持しているとまで指摘した。
エドゥアルド・パエス・サボイア在ベネズエラ・ブラジル大使を名指し、ブラジルによる拒否が「西洋の権力中心から推進された憎悪、排除、寛容さの欠如を再生産する」と非難。「ブラジルの決定は我が国に対する侵害であり、勇敢で革命的なベネズエラ国民に対する犯罪的な制裁政策、敵対的な行為だ。ベネズエラは、自己決定と国家の平等な主権の擁護において世界に貢献しており、どんな策略や手段も歴史の流れを止めることはできない。新しい世界が誕生する! ベネズエラはこの覇権主義のない自由な世界の一部だ」との声明を出した。
文中では、ベネズエラは「世界最大のエネルギー埋蔵量を有する」だけでなく、「公正で多極的な世界を構築するための価値、原則、ビジョンを示す旗」を掲げていると強調し、他国からの支持を受けてBRICS加盟を正式に進める意向を示した。
ブラジル外務省はこの声明について公式コメントは行わないとしている。
ベネズエラは、BRICSの新メンバーとして審査される12カ国のリストから外された。今年1月にイラン、アラブ首長国連邦、エチオピア、エジプトが新たに加盟したため、ブラジル政府はこれ以上の拡大を阻止する意向を示している。
ブラジルは7月28日のベネズラ大統領選挙後の緊張のため、今は適切な時期ではないと考えており、加盟に反対している。一方ロシアは、ベネズエラとの関係を強化しようとしており、ベネズエラの参加には積極的な姿勢を見せている。
ブラジルは依然としてベネズエラ国内の反対派と現政権の間の仲介役を果たそうと努力しているが、今回の一連の出来事によりその可能性が遠ざかると、専門家は見ている。
ブラジルは、8月にダニエル・オルテガ政権との関係を断絶したニカラグアの加盟も拒否した。