「ここはブラジルにおける数少ない少林寺拳法の本格的な道場です」とガイドを務める少林寺拳法の訓練生ジュニオルさんは、サンパウロ市リベルダーデ区コンセリェイロ・フルタード街445番にある羅漢寺をそう説明した。
彼は元々、日本文化好きでサンパウロ市北部の日本語学校に通い、書道なども練習していたので片言だが日本語もしゃべる。その後、映画などの影響を受けて少林寺拳法に目覚め、以来ここで研鑚を積んでいるという。
道場で少林寺拳法の型を迫力一杯に見せてくれ、庭にある練習場では地面に突き刺してある高さ2・5mほどの丸太を素手で叩いた上、その丸太によじ登り、頂上部分で型を披露するという離れ業まで演じた。その様子は本紙SNSで動画(https://www.youtube.com/watch?v=ODtKyHFpFI0)が見られる。
東洋街にあるため、多くのブラジル人が日本のお寺と勘違いしているが、元々は台湾系コミュニティが1974年に建てた中国式仏教寺院だった。それが1995年に設立された羅漢寺(Templo Lohan)という仏教、カンフー、伝統医学、中国芸術、哲学、文学などを教える教育機関と2015年に合併し、伝統的な中国文化を伝えるセンターとなった。
ここではルイス・メロ(路易斯)導師の指導の下、門下生が毎週集まって中国武術、少林寺拳法などの訓練をしている。
拳法練習場の他にカンフー資料館もあり、入場料40レアルを払えば、ガイド付きで同拳法で使う武器の展示場、中国伝統医学の実践場、中国新年の時に披露される中国獅子舞の置き場も見せてくれ、書道や飲茶の体験もでき、東洋街に居ながらにして「身近な中国体験」が可能だ。
資料館部分の建物は200年前に建設された古風なポルトガル風建築で、煉瓦でアーチ状に天井を支える独特の作りをしている。詳しくは同寺サイト(https://templolohan.com/)で。見学予約や問い合わせはワッツアップ(11・99378・5173)まで。