ブラジル日本文化福祉協会(文協)の山本喜誉司賞選考委員会(上辻ネルソン委員長)は11月1日(金)午後7時より、文協貴賓室で同賞授賞式を行う。第53回受賞者には山添源二、黒沢忠吉、大谷周、飯崎貞夫の4氏が選ばれた。
山添源二氏は、開拓等により97%伐採された大西洋岸森林の再生、保全を図るべく、同地に居住する小農に対し、同森林の在来種であるジュサーラ椰子を基幹作物とした森林農法を普及することにより、同沿岸森林の違法伐採に依存しない持続可能な農法を確立するための産学官合同プロジェクト形成に協力、大きな功績を残した。
黒沢忠吉氏は、サンパウロ大学やボツカツ大学の農学部教授として、植物病理学の教育と研究に専念。トマトに関する研究を進め、修士号、博士号、そして准教授資格を取得。また細菌性萎凋病に強い加工用トマトの品種を3種類も発表。約50本の論文を学術誌に発表し100本以上の研究を学会で発表。
大谷周氏は1963年に兵庫農大(現、神戸大学)を卒業後、大学時代の友人2人と共に渡伯。農村地域で様々な職を経験し、1976年にコチア産業組合に農業技師として採用された。JICAから派遣された後沢憲志博士の指導のもと、サンタカタリーナ州サンジョアキンで日本原産のリンゴの順化と生産を担当した。1987年にフェイジョア果実の苗木(マウンテインググアバ)の生産を開始、2020年になって初めて第4世代の接ぎ木、苗木によって600フィート果樹園の形成に成功し、今年の収穫量は6・5トンを超えた。
飯崎貞夫氏はブラジルヤクルト商工(株)にて副社長を務め、1992年に官僚的な障壁を粘り強く乗り越え、和牛の血統の輸入登録をブラジルで成功させた。1994年に和牛の系図記録を管理する権利を持つブラジル和牛生産者協会(ABCBRW)を設立した。同氏が行ったこの先駆的な事業のおかげで、当地には純粋和牛と商業和牛に分類された1万7千頭の以上の和牛がいる。
問い合わせは電話(11・3208・1755)。参加費は一人150レアル。11月1日までに要支払い。Pix(chave:61.511.127/0001-60)、支払い証明書送付先(atendimento@bunkyo.org.br)