愛に大きさは関係がない――サンタカタリーナ州北部のジョインビレ市で、大型犬ゴールデン・レトリバーの雌犬が、小型犬シーズーの雄犬の子犬を妊娠し、出産した。この出来事は飼い主の友人によってSNS上で動画共有され、体重7・5kgの雄犬トールが、自分の6倍もある体重45kgの雌犬ニナと交配に至った経緯が世間の関心を集め、370万回以上の再生回数を記録した。29日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
ニナの飼い主マルシアさんが妊娠に気づいたのは、出産の数日前だったという。犬の腹部が硬くなっていることを不審に思い、獣医で超音波検査を受けたところ、妊娠約50日目であることが確認された。
予期せぬニナの妊娠にマルシアさんは驚き、父犬が誰なのかを探したところ、ニナが泊まっていたペットホテルで〝運命の出会い〟があった可能性が浮上した。
マルシアさん一家は米国旅行のために、ニナを15日間預けており、妊娠時期と重なった。同期間に去勢されていない雄犬が泊まっていなかったかをホテル側に尋ねたところ、シーズー犬トールの存在が明らかになったという。また、同じ時期にニナが発情期に入っていたことも確認された。
ニナは9月20日に、帝王切開で9匹を出産し、その後すぐに避妊手術を受けた。
マルシアさんは当時、父犬側にこの状況を伝えるつもりはなかったというが、SNSで状況を知ったトールの飼い主ジャケリーニさんがマルシアさんに連絡を取った。
両飼い主は会話を重ねてお互いの状況を理解し、出産から40日後の10月29日、ついにトールと9匹の子犬が初対面を果たした。
マルシアさんは自身のSNSで、「待望の対面が実現したのです! トールは息子達に会いに来てくれましたが、自分とほぼ同じ大きさの息子達たちを怖がっていました」と、その時の様子について冗談混じりにコメントした。
妊娠発覚時にニナを担当した獣医師レチシア・コンデイシャ氏によれば、この交配は珍しいケースではあるが、危険が及ぶものではないという。「ただ、父犬が大型で母犬は小型という、今回とは逆のパターンであればリスクが高くなります」と説明した。
産まれた9匹のうち1匹は、他の兄弟と比べて体重がわずか1/3の100グラムで生まれ、生命の危険があったが、現在はすくすくと元気に育っているという。
「トール」は北欧神話に登場する雷神の名前だけに、電光石火で種付けに成功したようだ。