CIATE=川口俊徳厚労省課長が3日講演=「最近の日本の雇用情勢」等

川口俊徳課長

 厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課の川口俊徳課長(47歳、埼玉県出身)が1日午前、本紙会議室で記者会見を行った。国外就労者情報援護センター(CIATE)が3日(日)にブラジル日本文化福祉協会貴賓室で開催するコラボラドーレス会議で講演するために31日晩に来伯したもの。
 現在日本には340万人超の外国人が滞在しており、うち200万人超が労働者だ。「現在の人手不足は、バブル期に匹敵するぐらいの感がある」との感触があり、産業界が人手不足であることを正面から認め、このままでは日本に働きに来てもらえなくなるのではとの危機感すら漂っているという。
 今年、技能実習生制度の改革が行われ、結果的に東南アジアからの若者が在日外国人労働者の中心として改めて位置づけられた格好だ。川口課長に確認したところ、企業実習生は政府間の覚書が基本とされつつも、トンガや東チモールなど覚書がなくても行き来している実態があり、ブラジルからも送り出し可能だという。
 ただし、同課長の調べでは今現在、ブラジル人で同制度により訪日している人は一人もいない。現在同制度で来日してくる国々の一人当たりGDP相場は4千ドル前後で、ブラジルは約9千ドルあるので「所得相場が少し高いからあまり希望者がいないのでは」と同課長は見ている。
 4世ビザに関する動向を尋ねると、「ハローワークの感触としても、東南アジアの労働者は一生懸命日本語を覚えるが、日系人は何年たってもあまり覚えない傾向がある。3世までは日本語レベルが問われなかったが、技能実習制度も含めて、政府や政治家にも日本語レベルを求める傾向は強い」という。
 3日は午前9時15分から川口課長の講演「最近の日本の雇用情勢と日系ブラジル人労働者への支援政策」を、質疑応答を含めて1時間予定。「介護資格で日本に行くには」などの話もするという。

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