ブラジルで最も有名なサンドイッチの一つ「バウルー」が、ゆかりのあるサンパウロ州バウルー市文化遺産保護協議会(Codepac)によって、市無形文化遺産に指定された。13日付G1サイト(1)などが報じた。
このサンドイッチは、実はサンパウロ州バウルー市発祥ではない。1930年代にラジオ司会者カゼミロ・ピント・ネット氏(愛称バウルー)が、サンパウロ市の有名店「ポント・シック」で注文し、彼の出身がバウルー市だったことから始まる。彼は当時、サンパウロ大学法学部の学生で、同店を訪れた時、フランスパンの中身を取り除き、溶かしたチーズ、ローストビーフ、トマトを挟むサンドイッチをリクエストした。これが店のメニューに取り入れられる際に「バウルー」と名付けられ、すぐに人気となり、店の看板商品となった。
1998年、バウルー市はこのオリジナルレシピを市の代表的な料理として公式に認定した。2000年代には、市のシンボルの一つとして「バウルジーニョ」と呼ばれるサンドイッチの像がヴィトリア・レジア公園に設置され、その後、2008年から現在まで市内のバスターミナルに展示されている。
2018年からこのサンドイッチはサンパウロ州の無形文化遺産に指定されているが、今回、バウルー市でも無形文化遺産として登録され、10月31日に市官報で宣言された。これにより、このサンドイッチのレシピは「知識登録書(Livro de Registro de Saberes)」に伝統的な文化の技法として記載された。
Codepacのリリアン・エンリケ・デ・アゼヴェード氏は公式レシピの登録について、「オリジナルのレシピに重点を置き、詳細をすべて記載している」と述べた。
レシピの登録調査では、「ピクルスを含めるかどうか」で白熱の議論が交わされたという。アゼヴェード氏によると、ネット氏が最初に注文したオリジナルのサンドイッチにはピクルスが含まれていなかったからだ。
同氏は「このサンドイッチのレシピの特徴の一つは、ローストビーフとピクルスであるが、ピクルスは1950年代にアメリカのファーストフードの影響を受けて追加されたもので、オリジナルには含まれていなかった」と説明した。
今回、公式に登録されたレシピは以下の通り。
―フランスパン(上半分の中身を取り除く)
―ローストビーフのスライス
―オレガノをまぶしたトマトの輪切り
―溶かした黄色いチーズ
―ピクルス
この公式登録により、ローストビーフをハムに置き換えるなどのアレンジがあっても、元のレシピが保存される。バウルー市の観光協議会と経済開発局は、オリジナルレシピに基づいて作られていることを示す証明書を発行しており、該当する店やイベントに付与している。この証明書は2年ごとに更新される。