【既報関連】社交界の重鎮レジーナ・レモス(88歳)氏が27日、グローボ局のテレビ番組「エンコントロ」に出演し、元運転手ジョゼ・マルコス氏から受けた10年間にわたる監禁被害や財産搾取により、多額の負債を抱え困窮している現状を語った。裁判所はマルコス氏を女性殺人未遂、監禁、心理的虐待、窃盗罪で起訴し、逮捕状を出した。だが、彼は現在逃亡中だと28日付G1など(1)(2)が報じた。
レジーナ氏は、トランプ製造を主力とする玩具メーカーCopag社の創業者ネステル・ゴンサルヴェス氏の未亡人で、その相続人だ。
マルコス氏は元々お抱え運転手として信頼されており、彼女の世話をするうちに莫大な資産に目をつけたようだ。高齢のレジーナ氏を孤立させるために、固定電話を切断して携帯電話を奪い、外部との連絡を遮断した。彼女の資産と収入を管理下に置き、財産を徐々に奪っていったとされる。
マルコス氏の行動には他に8人が関わっていたとされ、裁判所はこれらの人物に対してもレジーナ氏への接近禁止命令を出している。
警察は、レジーナ氏が所有するリオ市南部サンコンラード地区の高級邸宅を訪問し、建物が荒廃して宝石類がすべて盗まれていることを確認後、邸宅にいたスタッフ全員を退去させた。
警察によると、この不動産はマルコス氏が第三者に賃貸していたとされ、裁判所の命令により明け渡しが行われた。現在、レジーナ氏の弟が生活費を負担しているが、彼女自身は全ての銀行口座がゼロになり、多額の都市不動産所有税(IPTU)や管理費の負債を抱えているという。
捜査では、彼女の財産損害の全貌を追跡するため金の流れを調べており、警察は損失が数百万レアルに達する可能性があるとみている。
マルコス氏は、レジーナ氏のサンコンラードの邸宅の一つに居住していたが、警察が逮捕に向かった際に逃亡。捜査の結果、彼がロシーニャ地区のファヴェーラ(貧民街)を通過した形跡が確認されているが、それ以降の行方は不明となっている。匿名情報提供サービス「ジスケ・デヌンシア」も、彼の所在に関する情報を募るポスターを発表した。
レジーナ氏とマルコス氏の間には2021年に作成された事実婚契約書が存在している。同書類には両者が健全な精神状態にあり、特にレジーナ氏については2通の精神科医の診断書が添付されていたことが記されている。だが彼女はこの契約を否定しており、両者の弁護士が財産管理権を巡り法廷で争っている。
マルコス氏が被告として起訴された背景には、複数の証言、医療報告書に加え、21年12月30日にレジーナ氏が頭部に重傷を負い手術を受けた件が挙げられる。その際、彼女の家族に一切の連絡もなく、これが女性殺人未遂容疑の根拠となっている。
警察と検察は共同で、11月26日に「ダマ・デ・オウロス(ダイヤの女王)作戦」を実施し、マルコス氏の逮捕を試みたが、未だ成功していない。現在も捜査は続けられており、レジーナ氏の財産搾取に関わった全関係者を特定する作業が進行中だ。