もし葬儀の途中に、棺の中に入っているのが見知らぬ人だと分かったら?!――サンパウロ州リベイロン・プレット市の病院で患者の名前が取り違えられ、死亡した女性の情報が、生存している別の女性の家族に伝えられるというミスが発生した。病院から死亡を告げられ、葬儀を行っていた親族は、棺の中の遺体が亡くなった女性とは別人であることに気づき、事件が発覚した。2日付G1など(1)(2)(3)(4)が報じた。
ネイデ・バッソ・デ・オリヴェイラさん(81歳)とネイデ・ロッシ・ベンジさん(73歳)は、共に同市のサンタカーザ病院に入院していた。バッソさんは尿路感染症が原因で11月30日の午後2時頃に死亡したが、病院側はその死を誤ってロッシさんの家族に通知した。
その後、ロッシさんの家族は葬儀の準備を進めたが、12月1日の葬儀の最中に、その棺に納められていた遺体がロッシさんではないことに気がついた。
ロッシさんの50年来の友人オデッテさんは「棺の中を見た瞬間、その女性はどう見ても彼女だとは思えなかった。でも最初、それを口に出すことはためらわれたんです。その後、他の参列者らが来て『いや、これはネイデじゃない』と言い始めた。そして、彼女の甥っ子が『この人、うちの叔母さんに似ていない』と言ったので、私も『本当だね』って言ったんです」と振り返った。ロッシさんは肺炎の治療のため、現在も同院に入院中だ。
一方、バッソさんの家族は、12月1日に病院を訪れた際に彼女が死亡していたことを初めて知ることとなった。すでに死後24時間が経っていた。
バッソさんの弟ダニエルさんは、「我々は姉がまだ生きていると思って見舞いに行ったが、病院の受付で彼女が既に亡くなったと告げられた。何も知らされていなかった。人の命に関わることであり、不条理で無責任な対応だ。本当に信じられない」と憤りを見せた。バッソさんの葬儀は翌2日に行われ、家族は警察に被害届を提出した。
オデッテさんも「後に誤報であることを知るのですが、親友のネイデ(ロッシ)が亡くなったと知らされた時は、胸が張り裂けるほど悲しんだんです。このような間違いは繰り返してはいけない。双方の家族にとって大きな苦しみです」と話した。
サンタカーザ病院は声明で、家族への連絡に誤りがあったことを認め、家族に対する説明責任と必要な支援を行うことを強調。また、事実確認のために内部調査を開始したことを明らかにした。
また、遺体搬送を担当した葬儀社によると、遺体の引き渡しを担当したスタッフはすべての書類を確認していたとし、「もし引き取り時に遺体が2体あったなら、誤りは我々にあるかもしれないが、実際には1体だけだった。警備員もそのことを確認しています」とし、全責任は病院側にあると主張している。