41歳でブラジルプレーの夢叶える=元Jリーガーの田島翔さん=パラナ州3部ロンドリネンセ入団

田島さんとモレティ会長(左から)

 元Jリーガーの田島翔さん(41歳、北海道出身)が11月8日、パラナ州3部のサッカーチーム「ポルトゲーザ・ロンドリネンセ」に選手兼ダイレクターとして入団した。「ブラジルでプレーすることが小学生の頃からの夢だった」と語る田島さんに今後の意気込みについて聞いた。
 田島さんはこれまで、日本国内ではFC琉球、ロアッソ熊本などに所属。海外ではスペイン、クロアチア、米国、ニュージーランド、サンマリノ共和国、韓国、シンガポールでプレーした経験を持つ。また、埼玉県を拠点にした子ども向けサッカースクール「アリエテ・サッカースクール」の経営や、プロ競技麻雀団体「RMU」所属のプロ雀士として麻雀文化の普及に携わるなど、多岐にわたる活動を行っている。
 田島さんは小学生の頃、三浦知良に憧れてサッカーを始め、小学校の卒業文集には将来の夢として、サントスFCなどに所属した三浦のように「ブラジルでプロになること」と書いていた。
 ブラジルでのプレーのチャンスは23年にも訪れていた。2017年に所属した米国ラスベガスシティFCのブラジル人監督の紹介により、パラナ州3部アトレチコ・カンベへの入団が決まっていたが、チーム合流前、日本で肉離れの怪我を負い、ブラジル行きは断念せざるを得なかった。
 24年に41歳となり、今後は選手としてだけでなく、コーチやアドバイザー、広報などクラブ運営に関わる仕事もしたいと思うようになっていたところ、ロンドリーナを本拠地に国外事業の拡大を検討していたロンドリネンセが、多様な経験を持つ田島さんに興味を示し、選手兼ダイレクターとして契約することとなった。ダイレクターは主に現場と経営陣を繋ぐ役割を担う役職。
 ロンドリネンセは1950年に設立され、2006年にパラナ州2部で優勝。近年は3部に属し、昨年はリーグ5位。若手育成に注力し、ブラジル内の名門クラブや欧州リーグへ多数の選手を輩出している。
 ロンドリネンセ入団について田島さんは「幼いころからの夢だったブラジルでプレーするチャンスをくれたロンドリネンセにはとても感謝しています。選手としてチーム目標である2部昇格に貢献したいと思います」と語る。
 ロンドリネンセのエドソン・モレティ会長は、「田島選手を迎えられたことをとても嬉しく思います。選手としての活躍への期待はもちろんですが、クラブは国外事業の拡大を検討しており、中でも素晴らしい友好の絆を持つ日本との関係を深めることは非常に重要であると考えています。そのため、田島選手をダイレクター及び日本コミュニティの代表者にも任命しました。彼が自身の持つ力を十分に発揮してくれることを願っています」と語った。
 田島さんは「ダイレクターとして日本の若手選手を積極的に受け入れるようチームに働きかけ、日本の若手選手に経験や活躍するチャンスを与えたい。ロンドリーナは日系人が多く、その利点を活かした地域活性化にも携わりたい。ロンドリネンセがたくさんの方に応援されるクラブになるよう、自身の役割を全うしたいと思います」と意気込みを述べた。

ブラジル麻雀協会の村井アマウリ会長と田島さん(左から)

 また、プロ雀士としても活動する田島さんは、11月10日にサンパウロ市で行われたブラジル麻雀協会主催の麻雀大会にも参加し、交流の輪を広げた。「ブラジルの麻雀大会に参加するのは初めてで、幅広い人種、年齢の方が麻雀を楽しんでいる光景にとても感動しました。ブラジル麻雀協会と協力して、ロンドリーナでも普及活動をしたいと思います。プロサッカー選手と麻雀プロとして活動できるのが僕の強みでもあるので、サッカーと麻雀でブラジルと日本の架け橋になりたいです」と話した。

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