【2025年新年号特集号】文協創立70周年の節目の年=ブラジル日本文化福祉協会会長 石川レナト

石川レナト

 ブラジル日報読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。旧年中は当ブラジル日本文化福祉協会の活動、特に4月に発生したリオグランデ・ド・スル州の大洪水被害に対して当会を含む日系主要団体が呼び掛けた物資および募金運動「ガンバッチェ」において、ブラジル日報紙面による広報のご協力のおかげもあり、沢山のご支援を頂きましたこと、この場をお借り致しまして改めて感謝申し上げます。なおこの募金活動は現在も継続中でございますので、引き続きご協力の程よろしくお願い申し上げます。
 さて、昨年は、実に10年ぶりとなる日本の現職内閣総理大臣のご来伯を賜った年でございました。当時の岸田文雄総理は、ルーラ大統領との首脳会談など大変重要でお忙しいご日程の中、ブラジリアの日系社会の代表者らとの懇談の後、ここサンパウロにまで足をお運びくださいました。
 岸田閣下は、当会の大講堂を埋め尽くした千人を超える歓迎式典出席者の前で、今後は特に若年層の日伯交流の活性化に注力するといった日本政府の方針を発表してくださいました。
 そのような中、私も微力ながら、日伯関係構築のため昨年末に3年連続となる訪日を果たしました。主な訪日の目的は、東京での「第64回海外日系人大会」への出席でしたが、前述の日本政府の方針に沿い、今回はそれとは別に、初めて在日ブラジル人の青年層を対象としたフォーラム「CONEXAO BUNKYO JAPAO」を、JICA市ヶ谷ビルをお借りして主催いたしました。
 これは、現在日本に点在する在日ブラジル人コミュニティの団結を促し、積極的な社会貢献を体験することで得られる視野の広がりや、何より日系人というアイデンティティを誇りに思えるようになること、また将来的にそこに参加した約40名の青年の中から日伯交流に貢献するリーダーが現れることを願っての開催でした。
 なお、このフォーラムには日本からは外務省の野口泰中南米局長、ブラジルからは駐日ブラジル大使館のオクタビオ・コルテス大使といった両国政府関係者のご出席を賜るなど、大変意義のあるものとなりました。
 また、日本以外においても、文協訪問団は、ペルーでの「第3回国際日系対話」(3月)、パラグアイでの「汎アメリカ日系人大会(COPANI)」(9月)、カナダでの「国際シンポジウム」(11月)に積極的に参加するなど、世界に広がる同胞たちとの交流に努めました。
 なお、国内においては、イビラプエラ公園内の日本館の建設70周年記念式典を元在聖総領事で現海外日系人協会の田中克之理事長など、内外の要人のご出席を賜って8月に挙行したことも昨年中の重要な活動のうちの一つでした。
 ところで本年は日伯修好通商航海条約130周年という記念すべき年でございます。そして当文協も本年で創立70周年という節目の年を迎えました。これを機に当会創立当時の有志の心情にもう一度立ち返って気持ちを新たにし、日伯交流をはじめとする当会の理念実現のために、なお一層励んでまいる所存でございますので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、ブラジル日報読者のみなさまのご健勝と益々のご発展を心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

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