【2025年新年号特集号】日伯関係を更に高いレベルに=ブラジル日本商工会議所会頭 小寺勇輝

小寺勇輝

 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、当商工会議所のさまざまな活動に際し、皆様から多大なご支援とご協力を頂きましたこと改めて厚く御礼申し上げます。新しい年を迎えるにあたり、ブラジル日本商工会議所を代表してご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、世界ではウクライナや中東地域での紛争拡大、米中対立や北朝鮮の脅威の深刻化など地政学リスクが増大し、世界情勢の不透明感はより強くなりました。この中、世界の人口とGDPの約半分に相当する国や地域で選挙が行われました。
 ロシアやインドでは現職大統領・首相が再選する一方、台湾、インドネシア、メキシコ、米国そして日本においては新たに国の舵取りを担うリーダーが選出されました。
 世界的にブロック化や保護主義的な動きが出ていますが、選挙で選出されたリーダーがどの様に対応していくか注目されています。ブラジルでは10月に市長・市議会議員選挙行われ、中道派の議席が拡大しました。また、11月にはリオデジャネイロでG20サミットが開催され、グローバルサウス諸国のリーダーとしてブラジルが注目されました。
 ブラジルと日本という観点では、外交面で大きな進展がございました。5月には岸田首相(当時)が来伯され首脳会談を持たれた他、サンパウロで開催された経済フォーラムにもご参加されました。また、11月にはG20サミットに石破首相が参加され、首脳会談の席上、ルーラ大統領の本年の日本訪問が確認されると共に日本・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み(仮称)につき協議していくことが合意されました。本商工会議所として、この枠組みの協議開始をEPA締結に向けた大きな一歩として歓迎すると共に、今後の協議の進展を心から期待しています。
 今年はブラジルと日本の間で外交関係が樹立されてから130周年の節目の年であり、両国間で友好交流年と定められました。上述のルーラ大統領の日本訪問、大阪・関西万博の開催、ブラジル北部ベレンに於けるCOP30開催と大きな行事が重なります。
 ブラジルと日本の間の人々の往来が今まで以上に活発になり、それが両国間の更なる関係強化に繋がることを期待しております。本商工会議所としても、ビジネスや日々の活動を通じて日伯関係を更に高いレベルに発展させるべく、会員一同で尽力したいと思います。
 今年の十二支は巳(み)です。相場格言では、巳年は昨年の辰年と共に「辰巳天井」と言われています。今年は昨年よりも増して世界中が活気にあふれ、天井知らずに景気が上昇し、皆様にとり大きな飛躍の年となることを祈念致します。
 最後になりましたが、この一年の皆様のご健勝とご活躍を祈念して、私の年頭の挨拶とさせて頂きます。
   2025年1月

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