轢かれたオオアナコンダから子蛇100匹=事故の衝撃で飛び出し母子絶命

妊娠中のオオアナコンダが車に轢かれ、お腹にいた100匹以上の子蛇とともに命を落とした
妊娠中のオオアナコンダが車に轢かれ、お腹にいた100匹以上の子蛇とともに命を落とした

 マット・グロッソ州ポルト・ドス・ガウショス市のMT338号線で6日、妊娠中の体長約5メートルのオオアナコンダ(学名:Eunectes murinus)が車に轢かれ、その衝撃でお腹から約40匹の子蛇が飛び出していたと6日付CNN(6)や7日付グローボ(1)(3)が報じた。市衛生管理部がその後に行った回収作業の結果、子蛇の数は100匹以上であったことが分かった。
 7日付UOL(4)によると、最初にこの場面に遭遇したのは、旅行中だった農業技師のアドリアーノ・プロスペロ氏だ。同氏は午前6時頃、クイアバ市に向かう途中でポルト・ドス・ガウショス市とイタニャンガ市の間の道路を車で走っている際にはねられたアナコンダを目撃し、まだ生きていると思って確認のために降車したとUOLに語っている。
 近づいてみると、アナコンダ母子はすでに亡くなっていることが分かった。そこで彼は友人に見せるためにその場面を携帯で撮影して送った。その動画がSNSで大きな反響を呼んだ。
 ブタンタン研究所の情報によると、オオアナコンダは南アメリカの熱帯地域に生息する種で、体調が最大7メートルに達し、体重が130キロを超えることもある。肉食性で毒は持っていないが、獲物に巻き付いて締め上げ、獲物を心停止させてから丸ごと飲み込む。主な食べ物は、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など。
 オオアナコンダは卵胎生で、子蛇は母親の体内の卵から出て発育し、すでに蛇に形になった状態で出産される。グローボ(1)のインタビューに対して、生物学者ヘンリケ・アブラハオン・シャルレス氏は、オオアナコンダの平均的な子供の数は40匹で、最大でも60匹程度。「100匹の子蛇が確認されたことは非常に驚くべきことだ」と語っている。
 生物学者でドキュメンタリー・プロデューサーでもあるクリスチャン・ディミトリス氏によると、子蛇たちは生きたまま母体の外に出され、車両の衝撃やアスファルトの熱によって死んだ可能性があると7日付イタチアイア紙サイト(2)で見解を語った。ディミトリス氏は、動物の生息地についても話し、ブラジルの道路で野生動物が轢かれる原因として、環境への影響を減らすための計画や対策が不足していることを指摘した。ブラジルでは、毎年4億3千万匹以上の野生動物が轢かれていると推定されている。
 7日付テラサイト(5)によると、回収された母オオアナコンダの皮と頭蓋骨が取り出され、体の残りは子蛇と一緒に埋葬された。蛇皮を革に変えるために鞣しの作業を行った後、頭蓋骨と一緒にポルト・ドス・ガウショス市の博物館で展示される予定だ。

最新記事