18歳の若きブラジル人テニス選手ジョアン・フォンセッカが、スポーツ界で新たな伝説を生み出した。2025年1月14日、全豪オープン初戦で世界ランキング9位のアンドレイ・ルブレフ選手を破り、グランドスラム本戦デビュー戦での勝利という大偉業を成し遂げた。この快挙は、グーガ・クエルテンやロジャー・フェデラーといった偉大な選手たちでさえも成し得なかったものだと14日付テラサイト(1)(2)が報じた。
ジョアン・フォンセッカはリオ市出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス112位、ダブルス431位。身長185cm、体重73kgで右利き、バックハンド・ストロークは両手打ちだ。
そんなフォンセッカは予選を勝ち抜き、全豪オープン本戦への切符を手にした。試合はテニスの聖地マーガレット・コート・アリーナで行われ、フォンセッカはプレッシャーをものともせず、ストレートセットでルブレフを下した。
この勝利は、ブラジル史上最高のテニス選手とされるグーガ・クエルテンも1996年全仏オープンでのデビュー戦では敗北、また20のグランドスラムタイトルを誇るロジャー・フェデラー(スイス)も1999年の全豪オープンでは初戦敗北――といった歴史上の結果と比較しても、いかに困難なものであるかが分かる。
さらにノバク・ジョコビッチ(セルビア)やジャニック・シナー(イタリア)といった現代のトップ選手も、グランドスラム本戦デビュー戦での勝利は果たせていない。
フォンセッカのプレースタイルや精神には、彼が憧れる偉大な選手たちの影響が色濃く現れている。彼は記者会見で、「私のアイドルはロジャー選手。彼のプレーを見て育ちました。皆が彼のようにプレーしたいと思うでしょう。若いころ片手バックハンドを試したこともありましたが、肘を痛めてすぐに諦めました。またグーガ・クエルテン選手も、プレイヤーとしてだけでなく人間としても素晴らしい方です」と語った。
テニス以外のスポーツにも目を向けるフォンセッカは、サッカーチーム「フラメンゴ」の熱心なファンでもある。彼の兄がフラメンゴを愛している影響で、試合観戦を楽しむことが多いという。昨年のリオオープンでは、サッカーチーム「ヴァスコ・ダ・ガマ」のユニフォームを着て練習していたクリスチアン・ガリン選手との試合前に「今日のクラシコはフラメンゴの勝ちだ」とユーモアたっぷりに語り話題を呼んだ。
家族の影響も大きく、母はバレーボールやカイトサーフィンを趣味とし、金融業界で働く父もサイクリングなどに親しむスポーツ一家で育った。どこにいても毎朝、ブラジルの定番であるアサイーボウルを食べる。体調管理とエネルギー補給を兼ねたこの習慣は、彼が世界中を舞台に戦う上で欠かせないものとなっている。試合がない日には祖父とトランプをして過ごすというアットホームな一面もある。
ジョアン・フォンセッカは、次戦でイタリアのロレンツォ・ソネゴとの対戦を控える。この若き天才がどのような軌跡を描いていくのか、ブラジルだけでなく世界中が注目している。