福島県白河市の芭蕉白河の関俳句賞実行委員会が昨年実施した「第6回芭蕉白河の関俳句賞」の入賞作品が、昨年12月に同市役所サイトで発表された。応募総数は5537句(3097人)で、うち海外の部は77句(39人)でブラジルからが74句と大半を占めた。19日(日)には同県の白河文化交流館コミネス小ホールで俳句賞表彰式兼当日投句会が開催される。
「一般の部」(四季雑詠)鈴木太郎選では大賞に「麦秋も母の齢もたっぷり在る」(野木透心、福島県古殿町、85歳)、特選に「裸木の遊行柳を見て通る」(北川春子、福島県白河市、82歳)と「朝蝉の鳴かぬ朝来て眉を描く」(中里雅子、福島県白河市、64歳)が選ばれた。
佐怒賀直美選では大賞に「万緑を抜けて修験者岩の上」(新原健、埼玉県さいたま市、66歳)、特選には「黍を食む雄山羊の髭の草書めく」(田村幸吉、福島県白河市、83歳)と「竹叢を明るくたたく時雨かな」(田村玲子、福島県白河市、79歳)。
ジュニアの部の堀切克洋選では大賞に「七色のトンネルウォータースライダー」(大室史華、川越市立名細小学校2年生)、特選1に「一夜漬け一緒に唸る牛蛙」(兼子心優、東北中2年生)、特選2に「産れたて君とねる夜熱帯夜」(矢内華乃、白河第一小6年生)、特選3に「かたつむりうちにおいでよあまやどり」(横川京禾、羽太小1年生)
「海外の部」鈴木太郎選では大賞に「今日の事明日に延ばすな草は穂に」(三宅昭子、パラー州トメアスー市、83歳)、特選に「八十年息する口や桜餅」(浅海喜世子、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市、80歳)、秀逸に「イグアスの三国結ぶ千の滝」(平間浩二、サンパウロ州サンパウロ市、83歳)
佐怒賀直美選では大賞に「春耕や人夫の数のオートバイ」(佐藤けい子、ペルナンブーコ州ボニート市、83歳)、特選に「ブラジルに終の棲家や花と杖」(浅海護也、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市、85歳)、秀逸に「とつ国に親子四代天の川」(梅崎嘉明、サンパウロ州サンパウロ市、101歳)
鈴木太郎選の入選は「冬日和つがひの小鳥むつまじき」(山畑嵩、サンパウロ州イタペセリカ・ダ・セーラ市、87歳)、「移り来て終の住処や墓洗ふ」(吉田しのぶ、サンパウロ州サンパウロ市、89歳)、「芍薬の撫でまわしたき蕾かな」(宇佐美好子、米国マサチューセッツ州シュールスベリ―町、61歳)、「移民とふ過去立上る移民の日」(佐藤けい子、ペルナンブーコ州ボニート市、83歳)、「悲しみは時に癒されサビア聞く」(中馬和子、サンパウロ州リベイロン・ピレス市、75歳)
佐怒賀直美選の入選は「イグアスの三国結ぶ千の滝」(平間浩二、サンパウロ州サンパウロ市、83歳)、「碧眼の僧侶経読む移民の日」(伊藤きみ子、サンパウロ州サンパウロ市、75歳)、「八十年息する口や桜餅」(浅海喜世子、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市、80歳)、「慰霊碑を建てる話や花マンガ」(那須千草、マットグロッソ・ド・スル州ファーチマ・ド・スール市、80歳)、「朝霞晴れて湧き立つ人の声」(串間いつえ、サンパウロ州サンパウロ市、78歳)