文明未接触の先住民族を撮影=アマゾン密林に設置したカメラで

20歳から40歳と思われる先住民族の姿(Foto: CGIIRC/Funai)
20歳から40歳と思われる先住民族の姿(Foto: CGIIRC/Funai)

 国立先住民保護財団(FUNAI)は8日、ロライマ州内陸部の森林内に設置したカメラで撮影された、今まで記録されたことのない先住民族の写真を公開した。彼らはロライマ州アルタ・フロレスタ・ド・オエステとサン・フランシスコ・ド・グアポレの間にある、先住民族保護地域(TI)のマサコ先住民族居住区
で生活している。FUNAI(1)、グローボ(2)やメトロポリターナ(3)などが報じた。
 この調査は昨年1月から4月にかけて、未接触部族や孤立部族保護の専門家8人で構成されたチームによって、彼らの痕跡や活動を記録する目的で行われた。調査団は密林の中を5日間で約65km移動しながら、孤立部族の活動の痕跡を記録するためのカメラなどを設置した。
 記録映像には、全員男性で年齢は想定20歳から40歳、9人の未接触先住民が、すでに保護されている先住民と接触しているところが映っていた。
 グアポレ地区のコーディネーターであり、調査団体のリーダーで30年以上先住民族の調査を行ってきたアルタイール・アルガエールさんによると、記録映像や情報データは彼らの存在を示しただけでなく、その生活ぶりを映し出した。「彼らの他先住民との接触は、若い男性だけで実行されていて計画的だったことがわかる。誰かに尾行された時のために、多くのトゲを用意し、それらを非先住民がいた場所や彼らが通った道に置いて行っていた」と話した。
 記録映像には、調査団が残していった道具を持って行くところが記録された。カメラの存在に気付いたものの、近づくことはなかった。その場を離れる際、罠を仕掛けていったという。
 マサコ先住民族居住区は1998年12月11日に政令によって境界策定が行われた。約42万ヘクタールを超え、97.5%がグアポレの保護地区となっている。
 グアポレ地区では常に先住民族の土地への不法侵入、伐採などの違法行為が行われないように監視や保護活動が行われている。FUNAIは保護強化のため、清掃や境界修復も担っている。
 調査団は、先住民族が保護地区外に出て、非先住民との接触にさらされていることを懸念点としてあげた。加えて、アルタイールさんは「気候変動は彼らの生存を左右しており、自然資源サイクルに大きな影響を及ぼしています」と二つ目の懸念点を語った。
 FUNAIは、孤立部族がこの区域にいるということは、彼らの生活を保護し、外部との接触を避けるための保護体制を更に強化させる必要が明確になったとした。
 他にも、マット・グロッソ州リオ・パルドのカワヒバ族の保護地区でも未接触民族が確認された。2023年までの36年間、保護団体マデイリーニャ・ジュルエナによって視察観察が続けられていたが、2024年7月に8日間に及ぶ調査が行われた。調査団は「外部からの侵入の痕跡があり、保護地区境界に強い圧力を感じ、境界線強化の必要性を感じた」と話した。
 この調査はFUNAIの領土保護局(DPT)が保護団体マデイリーニャ・ジュルエナとグアポレの共同で行った。

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