JICAブラジル事務所が昨年12月にサンパウロ市で行った女性起業家支援事業「J―Wings」のピッチイベントには、日伯の日系人子弟進学問題に取り組むカワウソ学校・事務所(Curso e Consultorias da Lontra)のアナ・カロリーナ・コンス・バシーラさんも参加した。
アナさんは日本の文部科学省の国費留学制度を通じて信州大学で修士号を獲得。その経験をもとに2023年から同国費留学への参加を目指すブラジル人向けの試験対策の授業を始めた。
昨年7月ごろからは、日本滞在時に知った日本のブラジル人学校に通う日系ブラジル人子弟の進学問題解決のため、ブラジルの大学進学を目指す日系人子弟向けのオンライン授業を開始した。日本から教材を取り寄せて最適な受験教材を製作し、AIを駆使した練習問題作成システムも開発中だという。
アナさんは、「日系団体と連携して事業を充実させ、日系人子弟の進学機会を増やしていきたい」と話す。
日本でブラジル人学校に通う日系人子弟の進学問題は日系社会が抱える長年の課題だ。アナさんの事業によって、日系人子弟の進路選択肢が広がり、より良い未来が作られることに期待したい。(莉)