大水害の腐敗肉を高級肉に偽装=1千%の利益上げた詐欺摘発

リオ・グランデ・ド・スル州から買い取った肉(24日付G1の記事の一部)
リオ・グランデ・ド・スル州から買い取った肉(24日付G1の記事の一部)

 リオ州トレス・リオス市の業者が、昨年4月末から5月初旬に起きたリオ・グランデ・ド・スル州の大水害で水没した腐敗肉を買い取り、ウルグアイ産高級肉として偽装し、精肉店や市場に販売していたことが発覚した。警察の捜査によると、これらの肉は泥汚れを取り除くために洗浄された後、ウルグアイ産を模したパッケージに詰め替えられ、他地域の業者に売られていた。リオ州とリオ・グランデ・ド・スル州の消費者保護警察の合同捜査により、同社の共同経営者2人と従業員2人が逮捕されたと24日付G1など(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
 問題となった「テン・ジ・トゥード・サルヴァードス(Tem Di Tudo Salvados、〝アウトレットなんでも屋〟の意)」社は、大水害で被災したカノアス市の食肉処理場から牛肉、豚肉、鶏肉合わせて800トンの腐敗肉を、家畜飼料に加工するとの名目で購入。実際にはその肉を精肉店や市場に転売し、消費者がその出所を知ることなく購入していたことが判明した。
 事件発覚は、リオ・グランデ・ド・スル州の販売業者が最近買った肉のロット番号から、自分たちが餌用に売った腐敗肉を「正常で消費可能な食肉」として偽装したものだと気づき、警察に通報したことがきっかけ。
 警察は詐欺業者の店舗内で洪水から8カ月以上が経過した今月22日もまだ、被災したものと同一ロットの牛肉が販売されているのを発見。法医学の専門家による分析で、南大河州の食肉包装工場からのものであることが証明された。(6)
 また、期限切れの医薬品や新型コロナウイルス検査キット、さらには期限切れのタバコや美容製品も多数見つかり、これらの製品も、腐敗した肉と同様に不適切に流通していたことが明らかになった。
 同社の本社内では不衛生な場所に吊るされた肉の塊、錆びた棚に置かれた冷凍食品、地面に直接置かれた食品袋が見つかるなど、衛生管理が著しく欠如していたことが分かった。このような不適切な商品を販売・保管していたとして経営者アルミール・ジョルジ・ルイース・ダ・シルヴァ容疑者ら4人が現行犯で逮捕された。
 警察は32台のトラックで全国に運ばれた肉を追跡しているが、23日時点で判明しているのは、全800トンのうち、17トンのみだ。
 警察によると、詐欺業者は800トンの腐敗した肉を8万レで購入し、推定500万レで転売することで1千%の利益を上げたという。容疑者らは組織犯罪、盗品の処理、食品の不正加工、不純物混入などの罪に問われる可能性があり、その捜査範囲は全国に及ぶとされている。

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