パラナ州で2022年5月、当時3歳だったパートナーの娘を洗濯機内で溺死させた罪に問われている継母スザナ・ダザル・ドス・サントス容疑者について、検察は嫉妬心と独占欲に基づく卑劣な犯行と判断し、これを家庭内暴力の一環と位置付けた。裁判所はこの起訴を14日に正式に受理したと27日付G1など(1)(2)が報じた。
被害者イザベリーちゃんは、普段は実母と同居していたが、その週末は父親宅を訪問していた。だが事件発生時、父親は仕事で不在だった。検察の起訴状によると、スザナ容疑者は、継子イザベリーちゃんが自分とパートナーとの関係を邪魔していると感じ、犯行に及んだとされている。
容疑者は、水を満たした洗濯機の中におもちゃを入れ、その前に置いた椅子の上にイザベリーちゃんを立たせて遊ばせ、無監視のまま30分以上も放置した結果、死亡させたとされている。検察は「被告は死を引き起こすリスクを認識し、それを容認していた」と指摘した。
事件発生直後、スザナ容疑者は近隣住民とともに救助を求めて通報したが、駆けつけた緊急医療サービス(SAMU)の隊員らが蘇生処置を行ったものの、イザベリーちゃんはその場で息を引き取った。
この事件は、家庭内暴力および家族内暴力としても位置付けられており、検察は起訴状で「本件は14歳未満の被害者に対して、家庭内暴力の状況下で行った犯罪である」と明記している。
一方、スザナ容疑者の弁護側は検察の主張を否定し、この事件を「事故」であると主張。弁護人のパウロ・アラ・ジュニオール氏は「被告と被害者の関係は良好であり、殺意や故意を示す証拠は存在しない」と述べ、今回の起訴は誇張されていると反論。
共同弁護人スエラニ・グンジン氏は、「この件には故意性がなく、法律に基づいて最低限の過失のみが認められるべきだ」と主張し、「もしこれが実母によるものだったら同様に扱われただろうか」と疑問を呈した。
これに対し、女児の母親側の弁護人であるアレシャンデル・ベイルネル氏は、「被告が事件を計画的に準備した」と主張。同弁護士は「洗濯機に水が満たされていたこと、踏み台が設置されていたこと、玩具が水中に入れられていたこと、さらには女児が靴下を履いていたことなど、多くの状況証拠が揃っている」と述べ、「すべての状況が計画的であったことを示している」と指摘した。同弁護士は「深刻な状況下で30分以上も無監視の状態に置かれたことが、被告による故意の行動を裏付けている」と強調した。
現在、この事件は裁判所で審理中であり、スザナ容疑者の弁護側には起訴内容に対する意見陳述のため10日間が与えられている。その後、裁判官が事件を「故意性を伴う殺人」として陪審裁判にかけるか、起訴内容を修正するかを決定する見込みだという。