103歳女性が麻酔なしで足切断=看護師の不適切手術で波紋呼ぶ

足を切断された高齢女性(1月30日付CNNブラジルの記事の一部)
足を切断された高齢女性(1月30日付CNNブラジルの記事の一部)

 103歳の高齢女性が、女性看護師によって麻酔なしで足を切断されるという衝撃的な事件が発生した。女性は寝たきり状態で、視力を失っており、切断前に足の壊死が確認されていた。手術は昨年12月、首都ブラジリアの女性宅で行われ、その際使用されたメスは不適切な管理下で鋭利性を欠いており、安全性が極めて低かったとされている。手術資格を持たない看護師による医療行為の不適切さや、患者の人権を無視した行為であり、警察は「高齢者や障害者への犯罪」として捜査していると、1月30日付のG1など(1)(2)(3)が報じた。
 事件は、手術の目撃者が今年1月初旬に、女性や高齢者の支援を行う団体「インスチトゥト・エヴァ」に相談し、1月27日に警察に告発したことで明らかになった。
 被害女性は2023年から医療チームによる24時間体制の在宅ケアを受けており、切断が必要になるほど傷が広がっており、医師からそれを勧められていた。だが、家族は高齢で体力が衰えていることを考慮し、手術を行わず、自然切断につながる可能性のある緩和ケアで負傷を治療することを選択した。
 にもかかわらず、その女性の息子に雇われた看護師が麻酔なしで切断手術を実施したことで、その行為が問題視されることとなった。
 警察によると、手術は適切な医療設備がない自宅で、看護師によって行われた。足の一部を切断後、看護師は自分の勤務先である公立病院を利用して、足を廃棄しようと試みたとされ、その様子は女性の家族と交わしたSNSメッセージに記録されていた。その会話の中で看護師は、「足の処分に困っているのよ。あなたたち受け取ってくれる?」と笑いながら語るなど、無責任で軽率な態度を見せていた。
 警察は、事件に関連する詳細情報を収集中で、複数の関係者からの証言をもとに慎重に捜査を続けている。解明されていない点も多く、切断された足の最終的な廃棄場所や手術に使用された器具の詳細、麻酔が使用されなかった経緯など、今後の捜査に注目が集まっている。
 連邦区看護審議会(Coren―DF)は、看護師が手術を行うことは法的にも倫理的にも認められないとし、看護師が足の切断を実施したことについて強く非難している。同審議会は「看護師はリハビリテーションやケアに従事するべきであり、手術は医師の責任範囲である」と述べ、今回の事例は重大な倫理違反であると強調した。
 女性は告発後に緊急の再手術を受け、現在も集中治療室(ICU)に入院している。

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