メトロポレス紙=サンタクルス病院が大量解雇=1月に従業員の15%を=給与や退職金等の労働問題も

30日付メトロポレス紙サイト

 30日付メトロポレス紙(https://www.metropoles.com/sao-paulo/pendencias-trabalhistas-hospital-sp)は、以前から経営悪化が噂されていたサンタクルス日本病院が1月に従業員の15%を解雇したが、その中には退職金や給与、13カ月給与分割払いを受け取っていない者がいると報道した。また2021年以降、退職補償基金(FGTS)の入金が不規則になったとも伝えた。同病院は、皇室の御下賜金を元に、日系社会からの浄財を集めて1939年4月29日に「日本病院」として落成した伝統ある医療機関だ。

 同紙によれば、アリス・モレイラさん(38歳)は12年間この病院の看護師だった。1月16日に解雇された彼女は、10日以内に振り込まれるはずの退職金をまだ受け取っていない。さらに、この看護師は12月分と1月分の賃金を受け取っておらず、少なくとも2年間は支払いの遅れが続いているという。
 看護助手のタイス・テレザ・ソウザ・デ・アフダさん(42歳)は、この病院で約6年間働いていたが、20日に解雇された。彼女はまだ退職金を受け取っていないが、病院は今週木曜日(1月30日)までに彼女に支払う義務がある。しかし、彼女は最終給与が遅れており、13カ月給与の最初の分割払いしか受け取っていないと主張している。タイスさんによると、2021年以来、FGTSは病院から支払われていない。
 タイスさんは解雇された約30人の従業員グループのまとめ役を担っており、その全員が未払いの労働債権を抱えている。「私たちは約8カ月間給料が未払いで、病院は改善すると約束しました。新しい投資家が来れば、状況は改善されるだろうと。しかし、毎月第5営業日に支払われるはずの給料が遅れた。そして1月に大量解雇が始まった」と看護助手は言った。「みんな毎日そこで命を削っていた。パンデミックの間、仕事は倍増した。そして今、私たちは一銭ももらえず解雇されました」と看護助手は嘆いた。
 看護師ライス・ダ・シルヴァ・サントス・ロペスさん(35歳)もタイスさんと同じ状況にある。「病院側は、従業員への報酬は事業主からの売掛金に応じて支払われると主張しています。給料の50%を受け取った従業員もいましたが、私はそのリストに載っていませんでした。これについては、病院は『誰もが損をしないように』見つけた方法だと言っています」と彼女は明かした。支払いの遅れに加え、病院は22年以降、ライズさんのFGTSを支払っていない。彼女はこの病院に12年間勤務していた。
 アリーン・ドス・サントス・サパタさん(39歳)は同病院で看護技師として7年間働いている。2児のシングルマザーである彼女は、この状況に非常に動揺していると語った。「ただただ泣いています。私の請求書は滞り、子供たちの学校も滞っています。病院は、少なくとも私たちが満足できるような対応をしてくれません。病院に行っても、人事部のドアの前に警備員がいるんです」とその看護技師はいう。「私たちのお金です。私はその病院で7年間働き、自分の人生をその病院に捧げました。12時間、人手不足のときは24時間働いたこともある。だから残念です」。

病院側の言い分

 サンタクルス日本病院はメトロポレ紙の取材に対し、スタッフを含め、一連の業務調整を行なっていることを明らかにした。1月の大量解雇について、同病院は「最近の動きは従業員の約15%に相当し、大量レイオフではない」としている。同病院は「調整の目的は、財政的な持続可能性を維持し、できるだけ多くの従業員の雇用を維持することであり、同時に提供されるあらゆるサービスのために当院を訪れる患者の安全を確保することである」と主張している。
 支払いの遅延と元従業員の正規雇用化の見通しについて質問された病院側は、「病院を含む医療部門が直面している課題、特にパンデミックの最中とその後は、サンタクルス日本病院にも大きな影響を及ぼしており、私たちは病院の継続と回復を目指し、必要なあらゆる調整措置を講じている」とし、送付された文章を通じてのみコメントするとしていると報じられた。
 本紙からも病院側の言い分を追加で尋ねたが、校了時間までに返答がなかった。

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