ブラジル日本語センター=アニメアフレコで学習意欲喚起=南米初の使用許諾コンテスト4月に

「カードキャプターさくら クリアカード編」(@CLAMP.ST:KODANSHA.NEP.NHK)

 ブラジル日本語センター(サンパウロ市、矢野敬崇理事長)は日本のアニメを使った「アフレコ・チャレンジコンテスト」を開催する。「アフレコ」はキャラクターのセリフに声をあてることで、漫画やアニメの権利権を所有する講談社ら企業から使用許諾を得て行うのは南米では初めて。アニメを通じて日本語学習者に楽しんで学習してもらい、日本の文化や慣習に関心を持ってもらうことを狙う。
 審査に使うのはブラジルでも幅広い世代に人気のあるアニメ「カードキャプターさくら クリアカード編」(以下さくら)。ブラジルではアニメや漫画などのサブカルチャー人気が高く、中でも「さくら」は2001年からブラジルの地上波で放送されていたことから、多くのファンを獲得している。
 コンテストではアニメのワンシーンを使用し、キャラクターになりきってセリフをアフレコする。その後、審査が行われ、入賞者を決定する。今年の同センター創立40周年の節目に合わせて行う記念イベントとなり、応募等の詳細は4月中旬に同センターのホームページで発表する。

ブラジル人教諭らアフレコ「楽しい」

 コンテスト開催に向け、同センターは2日、「アフレコ体験会」をサンパウロ市内の「ブラジル日本移民史料館」(リベルダーデ地区)で開催した。ブラジル各地の教諭ら約30人がアフレコに挑戦し、苦戦しながらも声優になりきった。
 チャレンジしたのは「さくら」の劇中、さくらたち同級生7人が昼食を囲むシーン。参加者はグループに分かれて配役を決め、最初は動画にセリフが入っている状態で確認。セリフが入っていない動画で自らのセリフを繰り返し口に出して練習し、いよいよ本番に入った。
 セリフのタイミングや時間内に言い切れないなど初めての体験に苦戦し、完成した動画に感嘆や笑いがこぼれる場面も。ホドリゴ・田中さん(38、パウリスタ州立大学日本語学科教授)は「タイミングやスピードを合わせるにはセリフを暗記することも大事。言葉だけでなく感情を入れると全然変わるし、生徒たちにも良い勉強になると思う」、岩﨑サントス三由紀さん(ミナスジェライス日本語モデル校コーディネーター)も「みんなと共同作業できて良かったし、勉強になった」と笑顔を見せた。

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