行方不明のブラジル人が成田で拘束判明=麻薬運び屋に利用されたか

見つかったヴィトル・ダニエル・アラウージョ・クラウジーノ容疑者(Foto:Reprodução / Redes Sociais)
見つかったヴィトル・ダニエル・アラウージョ・クラウジーノ容疑者(Foto:Reprodução / Redes Sociais)

 【既報関連】ブラジル人青年が日本へ向かう旅行中に行方不明となり、家族による捜索願が出されていた事件が急展開を迎えた。彼は単身でサンパウロ州のグアルーリョス空港を出発し、カタールで乗り継ぎ後に連絡が途絶えていたが、日本の成田国際空港で麻薬密輸の疑いで拘束されていることが判明した。ブラジル連邦警察によると、彼は日本の警察により取り調べを受けており、現地で捜査が終わるまで留置されると5日付G1など(1)(2)が報じた。
 ヴィトル・ダニエル・アラウージョ・クラウジーノ容疑者(22歳)は、1月23日にブラジルを出国し、翌24日に経由地のカタールに到着。最終目的地は東京で、家族との連絡はカタールが最後となっていた。
 ヴィトル容疑者の兄ジュニオール・クラウジーノさんによると、家族は在日ブラジル大使館および総領事館からの最新情報を受け取っているとしたが、拘束の詳細については伝えられていないという。
 彼は「重要なのは弟が生きていることだ。現地で何が起こっているにせよ、家族にとっては、彼が無事でいてくれたことが何よりの安心材料だ」と述べた。
 ヴィトル容疑者の弁護人であるタイーゼ・ゲーデス氏は、どのような薬物が見つかったのかはまだ分かっていないと述べつつも、彼が「何らかの大規模な密輸ネットワークや組織に巻き込まれ、『運び屋』として利用されたのではないか」との見解を示した。
 また同弁護士は、日本・ブラジル間には有罪判決を受けた自国民の強制送還を受け入れる決まりが存在しており、もし判決が確定すれば、ブラジル外務省に働きかけて帰国させることを求める方針を示した。
 ブラジル外務省はこの件について認識しており、領事援助を行っていると発表。在京ブラジル総領事館は、ヴィトル容疑者が適切な援助を受けており、身体的には健康な状態であると報告している。
 兄のジュニオールさんによると、今回はヴィトル容疑者にとって初めての外国旅行で、旅行の知らせは家族に突然伝えられたという。旅行および宿泊費用は「友人」が援助してくれることになっていたというが、その人物に関しては、居住地や氏名などの具体的な情報を訊いても完全に口を閉ざしていたといい、この点が家族にとって不安を抱かせていた部分だったという。

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