
クモ恐怖症の人には耐えられない恐ろしい光景――まるで空から降ってきたかのように無数のクモが巣を張る現象を映した動画がSNSで拡散され、話題となっている。ミナス・ジェライス州のサントメ・ダス・レトラスで撮影されたこの動画は、〝クモの雨〟として多くの人々に好奇心と恐怖を抱かせた。だがこの現象は集団で巣を作るクモの習性に過ぎないという。6日付G1など(1)(2)(3)が専門家による解説を紹介した。
この映像は昨年12月27日午後6時頃に撮影され、2月6日現在で1万1500回の「いいね」がついている。
ヴィタル・ブラジル研究所のクラウジオ・マウリシオ・ヴィエイラ氏は、「クモによっては一年中、あるいは特定の時期に集団でこのような巨大な巣を作る習性がある。これは大量の餌を捕獲したり、繁殖を促進したりするための戦略だ」と解説した。
映像に映るクモ「パラウィシア・ビストリアータ(Parawixia bistriata)」は有害で、一般的にセラード地域(サバンナ気候地帯)に生息しているが、アマゾン地域、北東部および南東部の地域にも見られ、国外では中米でも生息が記録されている。
ラヴラス連邦大学のロドリゴ・ロペス・フェレイラ教授は、このクモの種は繁殖期である9〜3月に群れを成すと説明。特に高温多湿の地域で発生するといい、「昼間はクモが集まって塊を作る。夜になると出てきて巣を作り、空に浮かぶ多くのクモの姿がまるで〝クモの雨〟のように見える」と述べた。このクモは有毒だが、人間にとっては危険ではないと強調した。
同動画は、環境活動家のブールナ・ナオミ・ファキネリさんによって投稿された。彼女が友人とスーパーから帰る途中に見つけたといい、「毎年この時期になると必ず現れるので、私たちにとっては慣れた光景。でも今年は、クモたちが木から木へと巣を張る距離が非常に長く、どうやってそれを作るのか不思議に思った」と述べた。撮影時の午後6時頃はクモが巣を作るために活発に活動し始める時間だという。
動画が拡散された後、好奇心から恐怖までさまざまな反応が寄せられた。特にクモ恐怖症の人々にとっては恐れの対象となり、コメントの中にはクモを駆除すべきだと提案する声もあれば、この現象が宗教的な兆しだと考える人々もいた。
同州の方言「ウアイ(Uai、「えっ?」や「なんだって?」の意)」と、クモが多く生息していることで知られる「オーストラリア(Australia)を掛け合わせて、「ウアイストラリアへようこそ!」と冗談を言う人や、「こんなにクモがいれば蚊が生き残れず、私たちも刺されず安心だ」とコメントする人も。
この動画は英国やロシアなどの国外サイトでも紹介され、カルヴァリョさんは冗談交じりに「結局、クモの巣は私たちが想像していた以上に大きく広がった」とコメント。ナオミさんは「なぜ私がサンパウロの都心を離れてこの田舎に移住したのかと聞かれると、こんな日常の中に素晴らしい光景が広がっているからと答えます!」と述べた。