
我が子を守ろうとする母の健気な姿に誰もが胸を打たれた――北東部セアラ州ジュアゼイロ・ド・ノルテ市ピラジャ地区にある動物病院に、一匹の母猫が、生まれたばかりの子猫を口にくわえて運び、獣医に助けを求めた。病院の監視カメラに記録されたその様子がSNSで広まり、大きな感動を呼んでいると7日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
映像には、母猫が子猫を口にくわえたまま歩道を歩き、動物病院に入って行く様子が映っていた。また、母猫はためらうことなく真っ直ぐ獣医のいる診療室へと向かった。
獣医師ジョルダナ・デルフィーノ氏によると、母猫は子猫を床に一度置いた後、獣医に近づき、注意を引こうと必死に鳴いたという。だが、母猫の努力にもかかわらず、子猫はすでに息を引き取っていたことが確認された。
ジョルダナ医師は「彼女は私のところに来て、ぐるぐると回りながら注意を引こうと必死で、すぐに助けを求めていることがわかりました。私は子猫の元へ行き、診察を行なったのですが、すでに紫色に変色していて、首には他の動物によるものか、あるいは先天的な問題によるものと思われる傷がありました」と語った。
この母猫は野良猫で、以前から動物病院のスタッフに知られており、「シャニーニャ」と名付けられていた。ジョルダナ医師は「シャニーニャは毎日ここに来て病院スタッフから餌をもらい、ケアや愛情を受けていたので、私たちを信頼していたのでしょう。だから、助けが必要だと感じた時に、彼女は子猫をここに連れてきたのだと思います」と述べた。
亡くなった子猫を病院に残した後、シャニーニャはその場を一旦離れ、数分後に元気な子猫を1匹ずつ、計3匹病院に運んできた。母猫とその子猫たちは保護され、健康状態を診るための診察を受けた。
ジョルダナ医師によるとこの行動は、「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンの分泌に影響されるものであり、「妊娠中、授乳中、そして産後にさらに強く働き、母親と子猫の間により深い絆を生むのです」と説明した。
同医師は、出産直後の動物に近づく際には注意が必要だと指摘する。「必要な場合にのみ近づいてあげてください。産後の動物はより保護的になり、もし母親が子に対して危険を感じた場合、攻撃的な行動をとることがあります。近づく必要がない場合は、子に触れない方が良いです。触れることで子の匂いが変わるため、匂いの変化に気づいた母親が子を拒絶することもあるからです」と説明した。