第2話-じゃまな枝を折る
また仕事の面での“マイゾウ・メーノス”の世界は、“ケブラ・ガーリョ(じゃまな枝を折る-その場しのぎ)”、または“ジエイチーニョ・ブラジレイロ(ブラジル式やり方、敬意を表して「ブラジル人式工夫と創意」)”で知られる、その場しのぎのやり方です。とにかくびっくりするほどすばしっこく良く頭がまわる。これは例えば、お客さんが来るので家を掃除するのに、すべてのゴミを襖に押し込んで、部屋だけきれいにしているようなものである。外観だけではわからないので、よく錯覚させられてしまうので、どのようにしたのか良く確認しておかないと、後でひどいことになる。反面、知らないでやってしまうこともあるので、よく説明してやらせることも大事である。
私の家を改造した時も、こんなことがあった、下水道の工事でPVCの管をY字形につなぐのに、左官屋はY字形の管を買うのが面倒なので、一方の管に穴を開け、そこに別の管を突っ込み、さらにPVC用の接着剤の代わりに、セメントで穴をふさいでいた、数年してもう一度改造のために掘った時にわかったのだが、もうセメントは剥がれ、穴があいて、下水が漏れているありさまでした。
また電気屋は、シャワーを取り付け、電気配線のアースを取る時に、電線が足りなくなったのか、なんとペンキの入っていた空き缶に土を入れ込んで、それを天井の屋根裏に持って行き、そこにアース線を差し込んでアースを取っていた。たしかにアース(ブラジル語で、“テーハ( 土 )”の意味)したことにはなるが、これでは危なくてオチオチ、シャワーも出来ない、これはすぐに発見したのでやり直しさせた。
これは極端な例であるが、会社の仕事の中でも日常作業で従業員が大なり小なりやっていることがあるので、良く目を光らせていないと、後で取り返しの効かないことになりかねない。とにかく面倒がり屋なのだが、“ケブラ・ガーリョ”に関しては驚くほど頭が働くので、現場、現物で出来あがりをよく確認する習慣をつけなけなければならない。