【11日の市況】Ibovespaは2日連続で0.76%の上昇を記録して126,521.66ポイント=ドルも昨日の流れを維持して0.31%下落、5.768レアルに

 Ibovespaは2日連続で0.76%の上昇を記録し、昨日と同じ上げ幅となった。本日、指数は126,521.66ポイントとなり、949.85ポイントの上昇となった。商業ドルも昨日の流れを維持し、0.31%下落して5.768レアルとなった。DI(将来金利)は全曲線で低下した。
 ドナルド・トランプ米大統領(新大統領)による関税措置が、鉄鋼とアルミニウムにも及んだ。この関税は全世界を対象とし、3月に発効される。この動きは市場で予想されていたものの、ブラジル政府には慎重な姿勢を促すものとなっている。ブラジル政府は貿易戦争には加わらない方針を強調。「ブラジルは貿易戦争を助長せず、参加することもない。自由貿易の強化を常に支持している」とアレシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室(SRI)長官が発言した。トランプ大統領は関税導入の理由として、ブラジルが中国産鉄鋼の購入を増やしていることを挙げた。

トランプ、関税の正当化にブラジルを名指し

「中国産鉄鋼の購入が急増」—ブラジル、カナダ、メキシコ、アルゼンチンも対象に
 ドナルド・トランプ米大統領は、新たな鉄鋼・アルミ関税(25%)導入の理由として、ブラジルを直接名指しした。2月10日にホワイトハウスで署名された大統領令によると、トランプ氏は「ブラジルの中国産鉄鋼の輸入が驚異的に増加し、過去数年間で3倍以上に拡大した」と指摘した。
 「ブラジルは、過剰生産能力を持つ国、特に中国からの輸入を急増させ、2018年の輸出割当制度の導入以降、急激に増加している」と大統領令には書いてある。
 米国政府は、ブラジルなどが無関税枠内で鉄鋼を輸出する代わりに、中国産鉄鋼の輸入を増やし、結果的に米国市場での競争を激化させたと主張。米国の製鉄業への影響を懸念していると説明した。
 ブラジル貿易協会(AEB)のアーサー・ピメンテル会長は、関税の緩和や撤廃の可能性も十分にあると指摘。「関税が適用されることを前提に準備すべきだが、ブラジル外務省(イタマラチ)にはこうした交渉の豊富な経験がある」とInfoMoneyに語った。
 一方、カナダなど他国は強硬な姿勢を示した。カナダのジャスティン・トルドー首相は、米国が全輸入鉄鋼・アルミニウムに25%の関税を課すことに対し、西側同盟国と共に「強く明確な対応」を検討すると発表した。カナダは米国にとって最大の鉄鋼・アルミ輸入国だ。

FRBとパウエル議長の発言

 関税措置は他にも影響を及ぼしている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、関税の経済への影響を見極めるため、利下げを急がず数カ月様子を見る可能性が高いと考えられている。
 本日、FRBのジェローム・パウエル議長は議会証言で、米国経済の堅調さを理由に利下げを急ぐ必要はないと述べた。

1月のIPCAが穏やかな上昇

 国内の経済ニュースとしては、良い知らせもあった。1月のIPCA(ブラジルの公式インフレ指数)は0.16%上昇し、レアル・プラン導入以降で1月としては最も低い伸びとなった。
 ただし、これは一時的なものだと経済学者は警告している。XP証券によると、エネルギー価格の影響でIPCAの全体的な動きが季節的な水準を下回ったものの、「サービスインフレは2025年を通じて加速する」との見方を示した。
 Nomadのリサーチ責任者であるパウラ・ゾグビ氏は、IPCAがIbovespaやドルの動向に影響を与えたと指摘。「12カ月累計ではまだインフレ目標の上限を超えているものの、1月のデータにネガティブなサプライズはなく、リスク資産にとってプラス要因となった。その結果、Ibovespaは上昇し、将来金利は下落した」と述べた。

Gerdauが再び上昇、Valeは下落

 鉄鋼関連銘柄は、関税措置の予告を受けて昨日に続き上昇した。Gerdau(GGBR4)は0.97%上昇、昨日下落していたUsiminas(USIM5)は3.50%の大幅上昇を記録。一方、CSN(CSNA3)は2.21%下落した。Vale(VALE3)は1%以上の下落が続いていたが、終盤に回復し最終的に0.43%の下落となった。
 Petrobras(PETR4)はセッション中に乱高下し、最終的には横ばいで終了した。国際原油価格は2日連続で上昇しており、トランプ政策の影響がどのように反映されるかは依然不透明だ。

銀行、Carrefour、TIMが急騰

 本日、大きく上昇した銘柄が2つあった。まず、大手銀行はすべて上昇し、Bradesco(BBDC4)は2.33%、Itaú Unibanco(ITUB4)は1.05%上昇した。
 次に、Carrefour(CRFB3)だ。親会社が同社の完全子会社化を提案し、「Novo Mercado」市場からの上場廃止が含まれると報じられたことを受け、株価は10.08%急騰した。
 また、昨日2024年第4四半期決算を発表したTIM(TIMS3)は、好決算を背景に6.95%の大幅上昇となった。

明日は米CPIに注目

 明日は、米国の消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。FRBは慎重な姿勢を示しているが、この指標の結果次第で市場の見方が変わる可能性がある。現在のところ、利下げの余地は見られていませんが、楽観ムードが広がれば悲観論を一掃する可能性もある。

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