
「地震:2時13分。マグネチュード5・5の地震が190・9キロの距離で起きたようだ。続報に注意を」――14日午前2時過ぎに突然、グーグル社のアンドロイド・オペレーティングシステム(Android OS)を搭載したスマートフォンを使用しているサンパウロ州とリオ州、ミナス州のユーザーが、そんな緊急地震速報を受け取った。これにより、地震に不慣れな一部ユーザーがパニックに陥り、SNS上で話題となったと同日付BBCブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
速報には、震源地はサンパウロ州北部海岸のウバトゥバ沖で、マグニチュード5・5と書かれていた。だが、サンパウロ州防災局やサンパウロ総合大学(USP)地震学センターは地震発生を確認しておらず、誤報と判断された。
これを受けて、サンパウロ州防災局は午前3時頃に声明を発表し、地震速報は同局から発信されたものではないと明言した。USP地震学センターによれば、今朝の時点で州内で地震は記録されておらず、地震に関連した事象は発生していないという。世界的な地震監視機関である米国地質調査所(USGS)や欧州地中海地震学センター(ESMC)も同様に、地震発生を確認していないと報告されている。
BBCブラジルがグーグル社に説明を求めたところ、同社は現在、内部調査を進めており、詳細はまだ分かっていないと述べた。
同社が公開しているアンドロイド用警報システムの情報によれば、すべてのスマートフォンには微細な振動を感知できる加速度計が内蔵されており、この機能によって地震の兆候を検知することが可能だという。同社公式サイトには「もしスマートフォンが地震の兆候を感知した場合、その情報は震源地の大まかな位置とともに地震検知サーバーに送信される。サーバーは複数の端末から得た情報を基に、実際に地震が発生しているかを判断する」と説明されている。
14日にユーザーが受け取った速報には、地震発生時の安全対策が盛り込まれており、靴を履くことやガスの配管を確認すること、損傷した建物を避けることなど、具体的な対処法が示されていた。
ブラジル国では地震は非常に稀であり、そのため多くのブラジル人は地震に対する備えが不足している。突然の地震速報に驚きや混乱を感じることが多く、SNS上では瞬く間にこの話題が広がった。
リオ州在住のある女性は、「夜中に赤ちゃんに授乳している最中にこの警報を受け取った。びっくりした」と投稿。サンパウロ州在住の別の人は、「最近は常に何かしらの危険に直面している。熱波でもなく洪水でもなく、今度は地震で驚かせるのか」と自然災害への恐怖を書き込んだ。
サンパウロ州やリオ州、ミナス州のユーザーに送られた速報が誤報であったことが明らかになったことで、グーグルは地震に関する警報システムの使用を中断した。