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大阪サンパウロ姉妹都市協会(吉川秀隆会長)が例年2月に実施している約2週間の訪日交流プログラムに、今年はレベッカ・エリアスさん(28歳、4世)が参加する。レベッカさんは6日、姉妹都市交流事業のブラジル側パートナー団体であるサンパウロ・大阪姉妹都市委員会の高木ラウル委員長、堀口亜也さんと共に編集部を訪れ、交流事業に対する意気込みを語った。
今年の訪日プログラムは12~28日の日程で行われ、レベッカさんは大阪市役所やサンパウロ市立オオサカシ小学校姉妹校の田辺小学校表敬訪問、同市で行われる大阪サンパウロ姉妹都市協会主催ポルトガル語スピーチコンテストへのボランティアスタッフとしての参加、大阪城や夢洲、USJなどの地域観光見学などを通じて大阪文化体験をする。帰国後には体験報告会などを通じて、大阪文化をサンパウロ市民へ伝え、両市の関係深化活動に携わる。
レベッカさんは長野県生まれ、栃木県育ちで、2009年に13歳で帰伯した。帰伯後はブラジル内で進学し、日系進出企業に勤めた。日本には仕事の関係で行くことはあったが、大阪を訪れたことはなかった。
サンパウロ・大阪姉妹都市委員会は、昨年9月にサンパウロ市で行われたブラジル日本語センター主催の「第43回全伯スピーチコンテスト」でレベッカさんが優勝したことを受け、レベッカさんを交流プログラムの参加候補として認め、面接を行い、今回の交流プログラム参加者として決定した。
レベッカさんはこれまで日伯文化交流事業に携わった経験は無いが、小学生時代に通っていたブラジル人経営の学童保育所が催す日伯文化交流イベントに参加した経験から、文化交流の楽しさやそれを大切に思う気持ちは自身の原体験として持っており、プログラム参加者として期待に応えたいと話す。
サンパウロ・大阪姉妹都市委員会の高木会長と堀口さんは、レベッカさんの高い日本語能力と日本文化に対する理解が姉妹都市関係の深化に大いに寄与すると太鼓判を押し、「充実した大阪文化体験をして帰国後の活動に活かしてほしい」と期待を語った。
レベッカさんは「本場のお好み焼きやたこ焼きを味わったり、地元の人たちと交流することが心から楽しみです。サンパウロ市では大阪市の認知度は高いのに、姉妹都市であることを知る人は多くありません。大阪滞在中からSNSを通じて情報発信を行い、大阪文化の魅力や姉妹都市であることを伝えていきたいです」と意気込みを語った。
サンパウロ市と大阪市は1969年に姉妹都市提携を結び、昨年55周年の節目を迎えた。交流プログラムを実施する大阪・サンパウロ姉妹都市協会は70年に設立され、交流事業を通じて若い世代の育成を行い、両市の関係深化に取り組んでいる。大阪でのポルトガル語スピーチコンテストの優勝者をブラジルへ送る交流事業も行っている。