カルロス君への想い日経新聞に=工藤章さん腹話術動画にポ語字幕

 三菱商事OBでブラジル日本商工会議所元会頭の工藤章(あきら)さん(77歳、埼玉県在住)が、3日付日本経済新聞に「腹話術人形と語る中南米」を寄稿して中南米を象徴させたキャラクターのカルロス君についての想いを語り、先ごろ自身の腹話術ユーチューブチャンネルにポルトガル語字幕付きの動画を投稿した。
 同寄稿によれば、22年間も中南米に駐在した経験を腹話術を通して日本で伝えるにあたり、ブラジル日系3世のカルロス君というキャラクターを登場させている理由を、「現地の人々の特徴や文化の違いを私が講釈すると上から目線になりがちなところ、彼に話してもらうことで親しみをもってもらえるはずだという期待もある」と解説している。
 工藤さんは1969年に三菱商事へ入社、主に中南米でのビジネスに従事し、チリ、ベネズエラ、ブラジルに通算22年間駐在した南米通。当地には1998年から2008年まで駐在して三菱商事中南米代表、ブラジル日本商工会議所会頭を務め、2012年に同商事を退職した。
 一方、老人ホームや障がい者施設などで腹話術師としてボランティア活動していたが、パンデミックが広がったことから対面活動ができなくなり、2020年4月から「ユーチューブ腹話術」チャンネルの配信を開始した。そこで語られる内容には、商社マンとして中南米を飛び回った経験が散りばめられており、「日系3世ブラジル人のカルロス君」とのやり取りを通して、ブラジル特有の文化や考え方などを代弁させ、日伯文化比較をユーモラスに展開している。
 その動画115回(https://youtu.be/WGV1mgxvMTU)に英訳字幕、109回(https://youtu.be/fOLzEhQgt20)にポルトガル語の字幕が付いた。工藤さんは「これが好評であれば、他の動画にもポルトガル語字幕をつけたい」と意気込んでいる。
 著書に『中南米が日本を追い抜く日 三菱商事駐在員の目』(石田博士構成、2008年、朝日新書)、昨年6月には『笑いは命の格安サプリメント』(かまくら春秋社)を出版した。

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