
中部ゴイアス州で17歳の少女に性的虐待を加えたとして、消化器外科の医師が検察に告発された。訴状によると、この医師は被害者に対し「子宮の位置がずれているので医療処置が必要」だと説明し、治療を口実に診察室で犯罪行為に及んだとされる。少女の母親が異変を察知し、婦人科医に相談したことで、医学的根拠のない処置であったことが判明した。医師は過去に元妻殺害で有罪判決を受けた経歴があった。20日付G1(1)が報じている。
事件は州都ゴイアニア市で2023年3月、被害者の少女が腹痛を訴えて医療機関を受診した際に発生した。担当した医師アルフレド・カルロス・ディアス・マトス・ジュニオル被告が内視鏡検査および膣管の超音波検査を指示し、翌月、検査結果を聞くために再度受診した際、「子宮位置異常」との診断を受けたとされる。
診察時、少女は衣服を脱ぎ診察台に横たわるよう指示された。検察によれば、ジュニオル被告は「乳房の自己検診の指導」を名目に少女の胸部に触れ、その後手袋を着用し、少女の下腹部に触れるなどの行為に及んだとされる。医師は「子宮の位置を正す処置」と説明したが、処置中に被害者が痛みを訴えたため、同席していた母親が中断を求めたという。
診察後、少女と母親は婦人科医に相談したところ、実施された処置には医学的根拠がないとの説明を受けた。
産婦人科専門医のロジェリオ・カンジド氏は取材に対して、「そのような方法で子宮を矯正するという医学的手法は存在しない。学術会議でも聞いたことがない」と明言した。
検察によれば、ジュニオル被告は医師としての立場を悪用し、他にも同様の手段で犯行を繰り返していたとされ、複数の訴えを受けているという。
裁判所は、被害者少女およびその母親の証言以外に新たな証拠がないことを理由に、検察の勾留請求を却下した。ただし、訴訟が進行する間、毎月裁判所に出頭し、裁判所の許可なく市内から8日以上離れないこと、午後10時以降は自宅に留まることなどの制限措置を命じた。同州医師会には登録抹消を求める通知が送られており、医師としての職務は禁じられている。
ジュニオル被告は過去に元妻マギダ・マリア・ブラガ・デ・マットスさんを殺害した罪で有罪判決を受けている。事件は1990年代末、ミナス・ジェライス州ノヴァ・リマ市の病院で発生した。
捜査によると、マギダさんが当時、別の男性と不倫関係にあったとされ、これに腹を立てたジュニオル被告は、マギダさんが腹痛を訴えて入院していた際、病室を訪れた。付き添っていたマギダさんの母親に睡眠薬入りのジュースを飲ませて眠らせ、その隙にマギダさんの点滴にアルコールを注入。服用していた薬剤と化学反応を起こし、致命的な結果を招いたとされる。
ジュニオル被告は2011年に有罪判決を受けたが、控訴中の身分として釈放され、その後ゴイアニア市へ転居。2015年にリオ・ヴェルデ市で講演中に逮捕されていた。