街角ちょっと見=『朝蔭』10月以降発刊されず

最古で最後の俳誌『朝蔭』9月号

 残念なことに、コロニア最古で最後の俳誌『朝蔭』が昨年10月以降、発刊されていないことが先日分かった。〝移民俳句の父〟佐藤念腹氏が創刊した日系社会最古の月刊俳句誌『木陰』の後継誌で、2023年10月に通巻第900号を迎えていた(https://www.brasilnippou.com/2023/231207-24colonia-2.html)。
 昨年9月1日付で発行された『朝蔭』は第539号、『木陰』『朝蔭』通巻で第911号だった。9月号に休刊や廃刊などの挨拶は一言もない。念腹門下の俳人、吉田しのぶさんによれば、「通巻1千号を目指してがんばっておられた」とのこと。
 毎月発行なので通巻第911号が意味するのは、なんと約76年間も編纂され続けたという偉業だ。それだけ長い間、移民一般の文芸、「声なき声」を拾い続け、紙面に掲載し続けたことは特筆に値する。
 ことの詳細は主宰者の家族の意向で公開不可。部外者としては復刊の日が来ることを、静かに祈念するのみ。(深)

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