石垣友明次席公使が着任=在ブラジル日本国大使館

石垣友明次席公使

 在ブラジル日本国大使館に昨年11月、石垣友明次席公使が着任した。同氏は今月11日、着任挨拶のためサンパウロ市の関係各所を訪問。編集部にも訪れ、今後の公務に対する抱負を語った。
 石垣氏は1972年生まれ、神奈川県出身。東京大学法学部中退、米国アマースト大学卒業。外務省入省後、国連日本政府代表部参事官、外務省気候変動課長、内閣副広報官、外務省経済政策課長、在米日本国大使館議会担当公使などを務めた。在ブラジル日本国大使館では次席公使として同館業務全般の管理、運営を行い、必要に応じて大使の業務を代行する。慶応大学などでの講師経験も持つ。趣味はマラソン、読書、SF映画鑑賞。
 ブラジルとの関りは91年、学生時代に観光旅行で訪れたところに始まり、「当時はハイパーインフレの真っ只中で、様々なモノの値段があっという間に上がっていくのを目の当たりにして驚きました」と振り返る。その後は外交官としてブラジルの外交交渉の場に立ち合う機会があり、「気候変動交渉や国連、WTOなどの多国間交渉の場で活躍するブラジル人外交官の交渉能力の高さは自分も見習わないといけないなと思っていました」と語った。
 今年はパラー州ベレンで気候変動に関する国際会議「COP30」が開催される。石垣氏は既に日本政府参加準備のための現地調査を開始しており、「かつて外務省気候変動課長を務めた経験から環境分野は特に関心のあるところであり、アマゾンでCOP30が行われることの意義の大きさも理解しています。準備においては困難な部分もありますが、成功に向けて働くことにとてもやりがいを感じています」と語った。
 石垣氏は今回、サンパウロ市のブラジル日本移民史料館も訪れた。「展示から日本人移民のブラジルでの歩みがひしひしと感じられ、思わず胸が詰まりました」とその感想を述べると「今年は日伯外交関係130周年の重要な節目。ルーラ大統領の訪日など日伯関係のより一層の進展が期待される事業が予定されています。両国友好のため、次席公使として精一杯公務に励んで参りたいと思います」と語った。

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