Ibovespaは昨日とは逆の動きを見せた。序盤は下落したが、その後持ち直し、一時は安定した上昇を見せたものの、結局はわずか0.02%の上昇にとどまり、124,798.96ポイントで取引を終えた(+30.29ポイント)。一方、ドルは上昇を維持し、0.45%高の5.82レアルで終了。DI(将来金利)はまちまちの動きを見せたが、全体としては上昇傾向だった。
企業決算が投資家の判断に影響を与えたのは昨日と同様だった。また、外交政策や経済データも発表されたが、あまり注目されなかった。
Nvidiaとトランプ関税
米国では2024年第4四半期のGDP速報値が+2.3%と発表され、市場予想通りの結果となった。
しかし、ウォール街はサンパウロとは逆の動きを見せ、序盤は上昇したものの、最終的には大幅下落。
その要因として、トランプ前大統領がメキシコ・カナダへの関税を来週から導入すると発表したこと、そしてNvidiaの株価が急落したことが挙げられる。
Nvidiaは、四半期の業績は予想を上回り、力強い業績見通し(ガイダンス)を示したものの、粗利益率の低下と2年ぶりの最低売上を記録したため、市場からの懸念が高まった。
ブラジルの労働市場
ブラジルでは、1月の経常収支赤字が市場予想を上回る結果となり、直接投資も予想よりやや低かった。過去12か月間の累積経常収支赤字はGDPの3.02%に達した。
一方で、1~3月期の失業率は6.5%と、2014年以来の最低水準を記録し、労働市場は依然として堅調であることを示した。
政治動向
政治の分野では、現在有力な対立候補同士であるサンパウロ州知事タルシージオ・デ・フレイタス(ボルソナロ派)とルーラ大統領がサントスで会談。両者はお互いを称賛し、民主的かつ実用的な姿勢を示した。
また、ルーラ大統領はカーニバル後に内閣改造を行う意向を示し、さらに「2025年のブラジルの経済成長率は市場予想を上回る」と発言した。
Petrobras、決算と配当の失望で急落
しかし、政治や経済指標よりも市場に大きな影響を与えたのは企業決算だった。特にPetrobras(PETR4)の決算発表がIbovespaの足を引っ張ることとなった。
Petrobrasの株価は3.53%下落し、第4四半期の純損失が170億レアル(約3,400億円)と、市場予想を大きく下回ったことが要因。また、配当金が市場予想を下回ったことも影響し、投資家の失望を招いた。
同社のマグダ・シャンブリアードCEOは、「Petrobrasは社会と株主への利益を生み出し続けることを決意している。引き続き、資本規律とイノベーションをもって収益性の高いプロジェクトに投資する」とコメント。
XP証券の石油・ガスアナリスト、ヘジス・カルドーゾ氏によると、投資家の最大の懸念は配当金の減少だが、「投資額の増加が主因であり、今後も継続するとは限らない」との見解を示した。
さらに、ブラジル環境機関(Ibama)の技術者が、アマゾン川河口での石油掘削を認可しないよう勧告し、現在、最終決定は同機関のトップに委ねられている。
Petrobras、時価総額2,450億レアル減少
配当金と決算の失望により、Petrobrasの時価総額は1日で約2,450億円減少した。
- PETR3(普通株):5.56%下落(39.24レアル)
- PETR4(優先株):3.53%下落(36.61レアル)
これにより、時価総額は5159.2億レアルから4914.2億レアルへと縮小した。米国市場でも**ADR(米国預託証券)**は前日から大幅下落し、市場の警戒感が高まっている。
Vale下落、Embraer急騰
Vale(VALE3)もIbovespaの大幅上昇を阻止。中国での鉄鉱石価格の下落を受け、Valeの株価は0.74%下落。
Braskem(BRKM5)は第4四半期の決算が低調で、2.15%下落。
BRF(BRFS3)は「史上最高の業績」を発表したにもかかわらず、3.21%下落。
しかし、Ibovespaのさらなる下落を防いだ銘柄もあった。
- Marfrig(MRFG3):8.90%上昇
- Embraer(EMBR3):12.12%上昇(好決算)
- IRB(IRBR3):7.80%上昇(前日の急落から回復)
- Ambev(ABEV3):5.30%上昇
- C&A(CEAB3):10.17%上昇(小売業界の新たな注目株)
今週と2月の最終日へ
今週と2月の取引は明日で終了するが、気を抜くのはまだ早い。金曜日には、米連邦準備制度(FRB)が最も重視するインフレ指標であるPCE(個人消費支出価格指数)の発表が控えており、市場は注視している。
カーニバル気分に浸るのはまだ早いが、少しは安心して良いかもしれない。