サンパウロ市カーニバル=山本さんカーニバル初参加で優勝=サンバ教室メンバーも充実体験

葛西さんのサンバ教室から参加した皆さん

 日本人向けサンバ教室VamosSambar主宰・講師の葛西叙江さんが今年も23人の駐在員を中心とした日本人を率いてバロッカ・ソナ・スルに出場するなど、サンパウロ市のカーニバルにはたくさんの日本人が出場した。スペシャルグループで15年ぶりの優勝を飾ったローザス・デ・オウロに出場した山本風薫さんにも感想を聞いてみた。

 カーニバル当日や出場の直前にはドタバタがつきものだと言われるが、今回もご多分に漏れず、その通りになったようだ。葛西さんが指導するグループのうち、10人が2台目の山車に乗っていたが、その山車の左右に突き出していたライオン像が壁に引っ掛かり、担当者が抑えながら行進を続け、最後には壊れたという。これでスペシャルグループから下位のアクセスグループに降下かと思われたが、12位にとどまってギリギリ陥落を免れた。

山車の上で見事なサンバを披露した崎田江里さん

 山車に乗っていた崎田江里さん(41歳、愛知県名古屋出身)は、昨年に続いて2回目の出場。「ブラジル文化に触れられて良い経験になったし、1年間の練習の集大成を発揮できた。日本の両親に元気に過ごしてることを報告でき、喜んでもらえた」と笑顔で語った。

子どもたちも山車に乗ってカーニバル体験

 葛西さんは「トラブルにもめげずみんな頑張って踊ってくれて、とってもみなさん楽しまれたようです。今回私たちのグループは全員山車に乗る方だけにしたので、例年より少ない人数の23人でしたが、男性2人や小中高生のお子さんと親子で5組も参加くださいました!」と無事に終わったことを喜んだ。

初出場で優勝を体験した山本さん

 一方、カーニバル初参加にして優勝まで体験してしまったのは、本紙28日付で紹介した山本風薫さん(24歳、東京都出身)だ。京都大学の大学院修士課程で文化人類学を専攻し、昨年8月から半年間、サンパウロ大学(USP)に留学中で、研究の一環としてカーニバルに出場した。
 1日午前4時25分の出番にも関わらず、前夜に会場に集合して夜通しの準備と待機。「既に疲れを感じる状態で迎えたパレードでしたが、会場では観客の多さに圧倒されながらも、練習を重ねてきた、全力で歌うことや列を揃えること、サンバステップを踊ること、全て出し切ろうとひたすら夢中でパレードしました。私自身も、きっと他のメンバーもとても疲れ果てていたと思います。ですが、パレード中に目が合うと笑顔を交わし『すばらしい瞬間を共有しているのだ』と実感できたことが何より嬉しかったです」と当日の様子を振り返る。

日本人もパッシスタとして活躍

 さらに「初めてのカーニバルで、パシスタとしてパレードできたことだけで十分に幸せでしたが、まさかチャンピオンになるというこの喜びをこの素晴らしいチームのみんなと分かち合えることができるとは思っていませんでした。とても光栄です。チームを紹介してくださった方、パシスタとしてご指導くださったディレクター、そして言葉も拙く、戸惑うことの多い私を温かく受け入れ、助けてくれたチームのみんなに感謝の気持ちでいっぱいです」と感じているという。最後に山本さんは、「土曜日のチャンピオンパレードはリラックスして楽しみたい」と締めくくった。

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