「警察呼んで。夫に殺される」=メモ見た店員の神対応で命拾い

女性が書いた助けを求める内容のメモ(Foto: PMPR e SESP-PR)
女性が書いた助けを求める内容のメモ(Foto: PMPR e SESP-PR)

 「警察呼んで。彼(夫)に殺される」――南部パラナ州サランジ市で3日、スーパーマーケットで夫と買い物中の女性が、こっそり店員に紙とペンを借り、そんな助けを求めるメモを残した。それを見た店員はすぐに警察に通報し、夫は現行犯逮捕された。警察によれば被害者女性は「夫にコンクリート片で殴られた」と話しているという。1枚のメモとスーパーの店員の迅速な対応が、脅迫と暴力に苦しんでいた女性の命を救ったと6日付ソー・ノチシア・ボアなど(1)(2)(3)が報じた。
 被害者によると、夫に常に監視されていたため、助けを求めることは容易ではなかった。ある時、買い物中にメモを書くことを思いつき、夫に気づかれないように必死の思いで実行に移したという。
 被害者はレジに向かい、店員に紙とペンを借りて助けを求める内容と自宅住所を書いた。
メモを受け取った店員は、初めはどうすべきか戸惑ったが、すぐに危機的な状況であることを理解し、警察に通報。すぐに、警察がメモに記載された住所へ向かった。

 警察が被害者の自宅に到着した際、彼女は目に見えるほど動揺し、恐怖にかられた様子で急いで門を開けた。現場に駆けつけたラファエル・クルス警部は、「被害者は夫からの激しい暴行を受けており、壁に押しつけられた後、コンクリート片を背中に投げつけられたと話している。『警察を呼べば命を奪う』と繰り返し脅されていたことも明かした」と説明した。
 夫は現行犯逮捕され、その後、勾留に変更された。警察によると、夫には過去に家庭内暴力の前科があり、今後、傷害罪と脅迫罪で起訴される可能性がある。事件後、被害者に対して緊急保護措置が講じられた。
 パラナ州保安局(Sesp)は、女性に対する暴力の撲滅を目指す「ムリェール・セグーラ(Mulher Segura)」プログラムを実施し、家庭内暴力やフェミサイドの減少に一定の成果を上げている。特に2024年には、同プログラムを受けた州内20の自治体で犯罪が18%減少したことが報告されている。だが、女性に対する暴力は依然として深刻な問題であり、同年には109件が報告されている。

 このような状況を踏まえ、Sespは同プログラムを25年に、パラナ州全399自治体に拡大する予定であり、啓発活動や予防策にさらに多くの資源を投入する方針を発表した。

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