3月のIbovespaは好調だった。連勝が続いていたが、ついに今月初の敗北を喫した。本日、Ibovespaは0.41%下落し、124,519.38ポイントとなり、515.25ポイントを失った。最安値では1%以上の下落も記録しており、それを考えれば被害は最小限だったかもしれない。一方、米国では主要株価指数が2%以上暴落し、Nasdaqは4%もの下落を記録した。ヨーロッパ市場も厳しい1日となった。
この混乱の原因は、週末に行われた米国のドナルド・トランプ大統領のインタビューだった。景気後退の可能性について問われたトランプ氏は、「こういうことを予測するのは嫌いだ」と述べ、「問題はあるが、我々は対応できる」と発言した。さらに、「これは移行期間であり、株式市場に頼りすぎるべきではない」とも警告した。
トランプ関税への報復措置
貿易戦争への懸念が高まっている。カナダのオンタリオ州首相ダグ・フォード氏とエネルギー相スティーブン・レッチェ氏は、同州が米国向けの電力に25%の追加関税を課すと発表した。彼らは「トランプの関税政策は米国経済にとって壊滅的だ」と述べた。
また、中国は本日から米国産農産物に最大15%の関税を課し始めた。
こうした動きにより、経済の行方への不透明感が増している。現在のところ、この影響は消費者心理にも及び、米国経済の見通しに対する懸念が高まっている。
ブラジル市場は改善の兆し、しかしドルは上昇
ブラジル市場にはわずかながら好材料があるが、依然としてリスクは高く、慎重な姿勢が求められる。XP Investimentosのアナリストらは、本日発表した市場レポートでこのように指摘した。また、大手銀行もブラジル株を引き上げたものの、依然として慎重な見方を崩していない。
市場の懸念材料はインフレと財政問題だ。ブラジル中央銀行が発表する「Boletim Focus」では、インフレ指標(IPCA)の予測が上昇した。しかし、政府は食品価格の上昇を抑えるための新たな対策を講じると発表。アルキミン副大統領は、食品価格の緩やかな低下を予測し、州政府に対しICMS(流通税)の免除を求める圧力をかけた。
この影響で、ドルの対レアル相場は大幅に上昇。本日、ドルは1.06%高の5.852レアルとなった。金利先物(DI)も全期間で上昇した。
ValeとB3が大幅下落
個別銘柄では、Vale(VALE3)が1.62%の大幅下落。Petrobras(PETR4)も下落したが、終値はわずか0.03%の下げにとどまった。なお、石油価格は大幅に下落したものの、Petrobrasに対する市場の見方は依然としてポジティブだ。
B3(B3SA3)の株価は2.15%下落。銀行株の中では、Itaú Unibanco(ITUB4)が0.89%上昇し、唯一プラスを記録した。
小売業では銘柄ごとに明暗が分かれたが、特筆すべきはMagazine Luiza(MGLU3)の4.96%の上昇だ。同社は今週木曜日(13日)に2024年第4四半期決算を発表予定。また、Azzas 2154(AZZA3)は本日決算を発表し、1.20%下落した。一方、指数外の銘柄であるCasas Bahia(BHIA3)は驚異的な29.92%の上昇を記録。明日決算を発表する予定で、3月だけで62%以上の上昇となった。
Gerdau(GGBR4)はアナリストによる目標株価引き下げの影響で0.54%下落。鉄鋼セクター全体も軟調だった。
明日は、ブラジルの1月の鉱工業生産指数と米国の雇用関連データが発表される。しかし、貿易関税の動向が引き続き市場の焦点となるだろう。この状況はいつまで続くのか?
ドルは1%高の5.85レアル、米国景気後退懸念で上昇
投資家は米国の関税政策に関する新たな情報を待っている。
本日、ドルは対レアルで1.13%上昇し、5.8549レアルで取引を終えた。米国の景気後退懸念が強まり、投資家がリスク資産から逃避する中、新興国通貨全般に対してドルが上昇した。