
花柳流日本舞踊名取で、サンパウロ市をはじめパラナ州クリチバ市で日本舞踊を長年にわたって指導してきた花柳龍千多(本名・木下鈴木多千代)さんが10日正午、腸の手術のため入院していたサンパウロ消化器病研究所(IGESP)で亡くなった。行年84歳。北海道古平町出身。
龍千多さんは、小樽市で理容師の資格を取得後、夫の故・木下利雄さん(元ブラジル北海道協会会長、「レストラン木下」オーナー)と結婚し、1961年に「ルイス号」で渡伯。サンパウロ市リベルダーデ区で理髪業を行った後、70年代後半には「レストラン木下」を夫婦で開業した。
64年から花柳金龍氏(故人)の下で日本舞踊を習い、80年代初めに名取となった。90年代からは月に1回、クリチバ市を中心に単身出張して日本舞踊を約30年にわたって指導し、2022年10月にはクリチバ市議会から表彰された。
60歳の時にレストラン業を娘婿たちに引き継いだ龍千多さんは近年、乳ガンや肺ガンを患ったが回復し、サンパウロ市やクリチバ市での日本舞踊の指導も継続していた。しかし、今年2月21日から激しい腹痛に見舞われ、IGESPに入院していたという。
通夜が今日11日午前10時から午後3時までサンパウロ市ベラ・ビスタ区のFuneral Home Sala Sao Paulo(サンカルロス・ド・ピニャール街376番)で執り行われる。