街角ちょっと見=ドイツ在住の横山さん初来伯

スザノ・イペランジアホームのダリア祭りを訪れた横山さん(3月2日)

 「本当に来て良かった!」―。こう語るのは、ドイツ在住の日本人で今回初めてブラジルを訪れた横山久子さん(67、東京都出身)。3月2日にスザノ・イペランジアホームで行われた「第29回ダリア祭り」の開会式を取材するため、記者が聖市リベルダーデ区のサンパウロ日伯援護協会前から出発する専用バスに乗車した際、たまたま隣席に乗り合わせたのが横山さんだった。
 東京都で中学校の社会科教師をしていた横山さんは、ドイツ人の夫と結婚。1980年代後半からドイツ南西部のスイス国境にほど近いヴァルツフート・ティエンゲン(Waldshut-Tiengen)に住み、90年代には1年間、スイスの日本人学校で働いた経験もある。
 スザノ市に大伯母の親せきが住んでいると伝え聞いていたこともあり、ブラジルに興味はあったが、これまで訪問する機会がなかったという。今回、ようやく念願が叶い、単身、2月半ばからパラグアイのイグアス移住地やアルゼンチンのロサリオを経て、2月28日にリオデジャネイロからブラジル入り。3月1日から1週間をサンパウロで過ごし、スザノ・イペランジアホームのダリア祭りをはじめ、ブラジル日本移民史料館、親せきの出身地であるブラジル福島県人会などを訪問した。
 横山さんは「とにかくブラジルに行ってみたいと思っていましたが、ドイツから飛行機で11時間半と案外近いのには驚きました」と率直な感想を語る。また、「今は何でもインターネットで勉強できる時代で、事前にブラジルのことを調べてきましたが、日本移民のことなどもっときちんと知り、広く教えるべきだと思いました」とも。
 今回は「下見(したみ)的な訪問で、次回はもっとゆっくり回ってみたい」と話す横山さん。ブラジルへの興味は尽きないようだ。(松)

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