「ブラジルでの出版は僕の夢」=4月に日伯同時出版決定=『ファヴェーラの漫画家』

『ファヴェーラの漫画家』第一巻

 ファヴェーラ出身のブラジル人少年が日本人漫画家との出会いをきっかけに漫画家を目指す内容で話題となった『ファヴェーラの漫画家』(原作萩本創八・漫画樽路実)の漫画単行本第一巻が4月25日、日本とブラジルで同時出版される。原作を手掛ける萩本さんは本紙取材に対し、「この漫画をブラジルで出版することは僕の夢でした」と喜びのコメントを寄せた。
 同作は日本のWeb漫画サイト「comic HOWL」で連載中。サンパウロ市のファヴェーラが舞台となっていることから連載開始当初からブラジルでもネットメディアを中心に話題となった。
 日伯同時販売の初報は、昨年12月7日にサンパウロ市で行われた国際漫画イベント「CCXP24」で行われた。ブラジル側からの要望が大きかったことが同時販売実現を大きく後押ししたという。ブラジルでは出版社「パニニ」が出版を担当する。
 原作を手掛ける萩本さんは「この漫画をブラジルで出版することは僕の夢でした。ですがその一方で現実味の無い、遠い夢だという思いもありました。それでも少しでも夢に近づくため、制作に励んできました。それがまさか、こんなにも早く実現するとはと驚いています。多くのブラジルの人々がこの作品の出版を望んでくれたこと、様々なメディアが取り上げて下さったことが日伯同時出版の強い後押しになったと思います。地球の反対側から全ての方々に感謝を送ります」と語った。

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