■訃報■文化人類学者、前山隆さん

前山隆さん

 ブラジル日本移民などを研究した文化人類学者、前山隆さん(まえやま たかし)さんが静岡県静岡市で、昨年12月9日に亡くなっていたことが分かった。海外日系人協会が自宅に電話して、子息から確認したという。行年91歳。未亡人ジャンジーラさんは健在だという。
 前山さんは1933年8月に北海道で生まれ、岩手県育ち。1960年に静岡大学卒業後、サンパウロ大学(USP)人類学留学生、76年にUSP講師や助教授を経て、77年から信州大学、筑波大学、静岡大学で教鞭をとり、97年に退官。その後、阪南大学でも教授と務め、04年に退職して静岡市で生活していた。
 著書には『ドナ・マルガリーダ・渡辺 移民・老人福祉の五十三年』(編著、御茶の水書房、1996年)、『風狂の記者 ブラジルの新聞人三浦鑿の生涯』(御茶の水書房、2002年)、『非相続者の精神史 或る日系ブラジル人の遍歴』(御茶の水書房、1981年)、『移民の日本回帰運動』(NHKブックス、1982年)、『エスニシティとブラジル日系人 文化人類学的研究』(御茶の水書房、1996年)、『異邦に「日本」を祀る ブラジル日系人の宗教とエスニシティ』(御茶の水書房、1997年)など多数のブラジル移民関係がある。

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