12人が大賞、特選、秀逸、入選=芭蕉白河の関俳句賞海外の部受賞式=「ブラジル勢のレベルの高さ伺われる」

前列左から2人目が受賞者の浅海護也さん、浅海喜世子さん、吉田しのぶさん、伊藤きみ子さん、串間いつえさん。加えて参加賞をもらった中原イベッチさん、皆藤百代アリッセさん、梅津朝代さん、滝内伊藤正友視さん、佐藤会長、渡辺事務員、その他は同会員青年部の3人

 ブラジル福島県人会(佐藤フランシスコ会長)は15日午前、福島県白河市の第6回芭蕉白河の関俳句賞「海外の部」授与式をサンパウロ市の同会館で開催し、サンパウロ市や近郊在住の受賞者や関係者ら14人が出席した。

 「海外の部」鈴木太郎選では大賞に「今日の事明日に延ばすな草は穂に」(三宅昭子、パラー州トメアスー市、83歳)、特選に「八十年息する口や桜餅」(浅海喜世子、サンパウロ州モジ市、80歳)、秀逸に「イグアスの三国結ぶ千の滝」(平間浩二、サンパウロ州サンパウロ市、83歳)が選ばれた。
 佐怒賀直美選では大賞に「春耕や人夫の数のオートバイ」(佐藤けい子、ペルナンブッコ州ボニート市、83歳)、特選に「ブラジルに終の棲家や花と杖」(浅海護也、サンパウロ州モジ市、85歳)、秀逸に「とつ国に親子四代天の川」(梅崎嘉明、サンパウロ州サンパウロ市、101歳)が選考された。

 同県人会の佐藤会長は「海外の部では12名の方が入選、特選、秀逸、大賞に輝いています。全てブラジルからの応募者です。応募者全員は39名、1人あたり2句を応募をしたとして、78句が寄せられた事になります。北米から1人、イギリスから1人の応募者がありましたが入選はしていません。改めて、ブラジルに日系人の俳句愛好者のレベルの高さが伺われる」などと総括した。

 県人会の担当者、渡辺三男さんは「やはり、入選者全員に出席して頂きたかったのですが、皆様、高齢、持病を抱えての外出が困難、遠距離の住まい、もう少し盛大な表彰式をやりたかったのですが、寂しい式典でした。しかし、今回は入選、特選、大賞、秀逸等合わせて15句が入選されたことは、ブラジルの日系人の俳句愛好者のレベルの高さを物語っています。また、白河市の当局者(鈴木和夫市長)からも高い評価を得ていますので、今後の弾みになると思います。来年こそは、もっと充実したものにしたいものです」との思いをコメントした。
 夫の浅海護也と共にダブル特選になった喜世子さんは、「福島県人会のご配慮により俳句大会に参加でき感謝です。選者の方の目に止まり俳句を共有していただき嬉しく思います。俳句を通して人との繋がりができるので喜びです。80年生きて美味しい桜餅を賞味できるのも、有り難く至福の一時です。受賞された多くのブラジルの仲間と喜びをともにします」と感謝の言葉を述べた。

 秀逸に選ばれた101歳の梅崎嘉明さんは、転倒して足を骨折し、今はマリリアの娘家族のところでリハビリに励んでいるという。入選者には山畠實崇さん、吉田しのぶさん、中馬和子さん、伊藤きみこさん、那須千草さん、串間いつえさんも。当日、全員に参加賞として作品が印刷された小冊子「芭蕉白河の関俳句賞作品集」が渡され、表彰者にはそれぞれ賞状や記念品が渡された。

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