
カルラ・ザンベリ連邦下議(自由党・PL)は19日、ロザンジェラ・ダ・シルヴァ大統領夫人(通称ジャンジャ)の日本への渡航費用について、連邦会計検査院(TCU)に調査を求める申し立てを行った。ザンベリ下議は、ジャンジャ氏は公職に就いていないため、政府資金による渡航費用負担に疑問を呈しており、さらにその渡航が内密に行われ、必要な公式手続きが遵守されていないことを指摘している。もし不正が発覚すれば、費用返還と責任者の処罰を求める意向を示していると20日付コレイオ・ブラジリエンセ(1)が報じた。
ルーラ大統領(労働者党・PT)は日本政府の招待を受け、24日から国賓として訪日する予定だ。だがジャンジャ夫人はその約1週間前の18日に、早々と現地入りした。同夫人は、大統領の訪問準備を担当するチームに同行し、少なくとも1人の顧問を帯同させていたという。ザンベリ下議は、連邦政府職員が公務で不在の場合、その事実は連邦官報(DOU)に掲載されなければならないと強調しており、ジャンジャ氏の顧問についてはその手続きがなされていないことを指摘している。
ザンベリ下議は自身のインスタグラムで「ルーラの5日前に、ジャンジャはこっそり日本に旅行」と投稿し、「いいね」が6万3千件、コメントが5526件ついた。概要欄では「ジャンジャは日本へ一体何をしにいったのか。ブラジル国民の税金を浪費し、こっそり観光を楽しんでいるのでは?」と批判し、早期訪日の正当性について説明を求めた。
今回の申し立てでは、TCUが内閣官房および外務省(MRE)に対し、資金源、支出の承認、早期渡航の理由について説明を求めるよう要求している。もし不正が明らかになった場合、費用の返金と責任者に対する処罰を求めている。
ジャンジャ氏は政府内での正式な職務を有していないものの、ルーラ大統領の3期目の任期開始以来、パリ五輪の開会式出席、カタール訪問、国連総会への参加など国内外で注目を集め、それに伴う費用支出については野党から度々批判を浴びてきた。
政治調査団体ポデール・ダッタが、15〜17日に2500人の有権者を対象に実施した世論調査によると、ジャンジャ氏を「よく知っている」または「聞いたことがある」と回答した83%のうち、50%が同氏の政府活動への参加に不支持を表明しており、支持すると答えた29%を大幅に上回った。この不支持率は、昨年10月の47%から3%ポイント上昇しており、同氏に対する国民の評価が一段と厳しさを増していることを示している。(2)