
【既報関連】国賓として日本政府に招かれたルーラ大統領(労働者党・PT)は、現地時間24日(月)朝に東京に到着した。今回の訪問ではアジア地域における商業的パートナーシップ拡大を目指しており、特に肉類市場開拓やメルコスルとの貿易協定の進展に重点を置く。米中間で繰り広げられている貿易戦争の影響を避けるため、ビジネス多角化を戦略的に進める意図があると、同日付G1など(1)(2)(3)(4)が報じている。
ルーラ大統領の訪日は27日までの3日間の予定で、11人の大臣をはじめ、新旧の上下両院議長などの連邦議会を代表する重要な人物も同行している。
訪問の主な目的である日本市場におけるブラジル産牛肉の輸入解禁は、ほぼ20年にわたって交渉が続いている重要な課題だ。ブラジル牛肉産業協会(Abiec)は、大統領訪日はこの交渉の決定的な好機であると捉えている。
国内で生産される牛肉の約25%を世界の国々に輸出しているブラジルにとって、日本市場の開放は極めて重要だ。日本は世界第3位の牛肉輸入国だが、その80%は米国と豪州からであり、ブラジルは米国の関税問題を機に、その隙間に入り込むことを狙う。
ブラジル政府は、日本市場の開放が食肉業界にとって重要な進展であると認識しているが、訪日中に最終決定が下される可能性は低いと見ている。日本側による衛生当局の調査団派遣など必要な手続きが残っているためだ。ブラジル政府は、ブラジル産肉が高級和牛と競合しないと強調し、大統領の直接交渉を通じて状況を前進させることを目指している。
ルーラ大統領は現在進行中の米中間の貿易戦争に対し、ブラジルとしては中立的な立場を維持しつつも、アジア地域での貿易パートナーを増やすことが戦略的に重要であると認識している。日本との関係を強化することでブラジル経済の安定性を確保し、国内経済の成長を促進する基盤を築こうとしている。日本メルコスル自由貿易協定の進展に力を入れているのはこのためだ。
両国の外交関係樹立130周年を記念する今回の訪問では、ルーラ大統領は、皇居での天皇・皇后両陛下との謁見に加え、赤坂御用地での石破茂首相との会談、ブラジル・日本ビジネスフォーラムへの参加などを予定している。劣化牧草地の回復、科学技術、持続可能な燃料などの分野で、官民合わせて約80の協定が締結される予定だ。ブラジルはエンブラエル社を通じて15〜20機の航空機の販売を進めているという。
加えて、大統領は外遊期間を利用して、国内の政治的な関係強化も狙っていると報じられている。連邦議会リーダのウゴ・モッタ下院議長(共和者・RP)とダヴィ・アルコルンブレ上院議長(ウニオン)を同伴していることから、この期間に彼らと政府の優先課題について議論を交わし、政府の支持率低下を打開するために連邦議会と連携を深める意図もあるとされている。