昨日、ワールドカップ2026南米予選でアルゼンチンにあっさり屈辱的な敗北を喫したブラジル代表とは異なり、Ibovespaは期待を裏切ることなく、0.34%の上昇で取引を終えた。終値は132,519.63ポイントで、451.94ポイントの上昇を記録し、前日の0.57%の上昇に続く2日連続のプラスとなった。派手な試合ではなかったが、確実に勝ち点を積み重ねた。
一方、ブラジルレアルは前日の勢いを維持できず、対米ドルで下落。商業取引レートは0.42%上昇し、1ドル=5.733レアルとなった。トランプ政権の新関税を巡る懸念が影響したが、ブラジル代表のような完敗とは言えない。利回り先物(DI)は引き続き全期間で上昇し、再び15%に近づいている。試合は続く。
外国人投資家と政治情勢
外国人投資家が主導権を握り、Ibovespaを押し上げている。Bradesco BBIのアナリストは「ブラジル市場のセンチメントは改善傾向にあり、米国の投資家はこの上昇相場に乗り遅れまいとしている。しかし、一部の投資家は急速な回復とテクニカル面での過熱感を警戒し、利益確定の動きを見せている」と分析する。
また、ブラジル国内の投資家は選挙サイクルに強く注目しており、慎重な投資姿勢を維持している。「選挙が市場に影響を与えるタイミングはまだ先と見ており、国内投資家の投資余力は高金利の影響で限定的だ」との見方もある。
政治面では、前大統領ジャイル・ボルソナロ氏にとって厳しい日となった。ブラジル最高裁(STF)の第一小法廷は、彼とその側近に対するクーデター未遂の訴追を満場一致の5対0で承認し、被告として正式に裁判にかけることを決定した。これが今後の選挙情勢にどう影響するかは未知数だ。試合の結末を待つ必要がある。
予想を上回る経常赤字
経済指標では、ブラジルの財政状況は期待以上の健闘を見せた。ブラジル中央銀行の発表によると、2月の経常赤字は88億ドルと予想を上回る結果となった。また、外国直接投資(FDI)は市場予測を大幅に上回った。
一方、米国では財政問題が懸念材料となっている。米政府は8月にも債務上限問題によるデフォルト(債務不履行)リスクがあると警告。さらに、4月2日に予定されている新関税の発表を控え、市場の警戒感が強まっている。これを受けて、米国の主要株価指数は大幅下落となった。
ValeとPetrobrasが牽引
Ibovespaでは、Vale(VALE3)が0.61%の上昇を記録。中国の鉄鉱石価格の上昇が追い風となった。また、Petrobras(PETR4)も0.94%上昇。国際原油価格の上昇と、ウクライナ戦争終結に向けた交渉の進展が背景にある。
銀行株も堅調に推移し、Bradesco(BBDC4)が1.63%上昇。一方、Itaú Unibanco(ITUB4)は1.08%下落した。
一方で、食肉業界の銘柄は大幅下落。JBS(JBSS3)は第4四半期(4Q24)の決算を発表したが、投資家の反応は冷ややかで2.70%下落した。決算内容自体はアナリストから評価されたものの、市場の期待に応えられなかったようだ。
Natura(NTCO3)は1.72%の上昇で3日連続の上昇となった。第4四半期決算発表後に急落したものの、その後は回復基調にある。
一方、Ibovespa指数には含まれないが、カサス・バイーア(BHIA3)の株価は3.51%の上昇となり、3月だけで270%以上の上昇を記録。まさに「ゴールラッシュ」と言える勢いだ。
明日の注目イベント
明日は、ブラジル中央銀行の「金融政策報告書」と3月のIPCA-15(消費者物価指数)が発表される予定。また、米国では第4四半期(4Q24)のGDP確定値が発表される。市場関係者は、これらの結果が痛みを伴うものとならないことを期待している。
ドル高進行、トランプ政権の関税政策に注目
投資家は、来週発表予定の米国の関税政策に関する詳細を注視している。
ドルの対レアル相場は、前日の下落から反発し、0.43%高の5.7328レアルで取引を終えた。今年に入ってからの累計では、米ドルは対レアルで7.22%下落している。
ブラジル証券取引所(B3)での4月限のドル先物は、17時14分時点で0.56%上昇し、5.7390レアルとなった。
ボルソナロ氏が被告に、次のステップは?
ブラジル最高裁(STF)の第一小法廷は、ジャイル・ボルソナロ前大統領(PL)とその側近7人をクーデター未遂の罪で正式に被告とすることを決定した。
この訴追には、元連邦警察長官アレシャンドレ・ハマジェン氏や元国防相ブラガ・ネト氏らが含まれる。また、検察庁(PGR)は事件の性質ごとに5つのグループに分け、審理を進めることを決定している。
今回の決定は、裁判が本格的に開始される前の「予備審査」の段階であり、STFの判事たちは「十分な証拠が揃っている」と判断した。今後は、証人尋問や追加の証拠収集が行われ、最終的に有罪・無罪の判決が下されることになる。