最も強い影響力持つ都市調査=サンパウロ、リオ、ブラジリアに集中

企業本社が多く立ち並ぶサンパウロ市イタイン・ビビ地区(Foto: Prefeitura de São Paulo)
企業本社が多く立ち並ぶサンパウロ市イタイン・ビビ地区(Foto: Prefeitura de São Paulo)

 地理統計院(IBGE)が26日に発表した「2024年版領域管理調査」によると、国内にある5570の自治体のうち、39%にあたる2176の都市が「領域管理センター」として認定されており、これらの都市は企業活動および公共管理の両面で、国内の都市ネットワークにおいて指導的な役割を果たしていることが明らかとなった。特にブラジリア、サンパウロ市、リオ市の3都市が、公共管理および企業活動の中心地として、極めて重要な影響力を持つと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 調査では、ブラジリア、リオ市、サンパウロ市は、公共および企業経営の両分野で最も強い影響力を誇る都市であることが分かった。これらの都市は、企業本社や公的機関が集中しているため、国内全体に対する重要な意思決定を行う力を持つ。
 例えば、ブラデスコ銀行はサンパウロ州オザスコ市に本社を構え、ブラジル全土にちらばる約2900支店を通じて、その意思決定が他の都市にも直接的な影響を与えることが示されている。
 企業管理については、IBGEは企業経営の影響力を測るために、各都市における企業本社数やその支店数を分析。その結果、サンパウロ市、リオ市、ブラジリアなどが上位にランクインし、特にサンパウロ市は企業ネットワークの中心地として圧倒的な影響力を誇ることが明らかとなった。
 サンパウロ市に本社を置く企業は、180万人以上の従業員を他の都市の支店で雇用しており、その経済的影響は非常に大きい。調査結果においては、サンパウロ市における企業の従業員数が17・4%増加した一方で、リオ市とブラジリアはそれぞれ18・2%および21・2%減少していることも注目された。その他、影響力のある都市としてベロ・オリゾンテ(MG)、クリチバ(PR)、ポルト・アレグレ(RS)、フォルタレーザ(CE)なども上位にランクインした。
 公共管理においてはブラジリアが最も強い影響力を持つ都市として位置づけられている。ブラジリアは連邦政府の首都として、ほとんどの公的機関の本部が集まり、行政管理の中心として国内全体に強い影響を及ぼす役割を担っている。
 一方で、リオ市は1960年に首都の地位を失ったものの、依然として重要な機関が数多く集まり、公共管理における影響力を維持している。サンパウロ市は企業経営の中心地であると共に、公共管理においても影響力を発揮する都市となっている。
 地域管理に関しては、公共管理や企業の拠点の多さに基づき、都市が評価された。最も突出した都市はサンパウロ市、ブラジリア、リオ市の3都市で、次にベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレ、クリチバ、レシフェ(PE)、フォルタレーザ、サルヴァドール(BA)、ゴイアニア(GO)、カンピナス(SP)、ベレン(PA)などが続く。
 IBGEは、サンパウロ市が企業経営や管理の中心地であり、ブラジリアが公共管理の中心地であることを、この分類が反映していると説明。リオ市は、企業経営と公共管理の両方において第2位に位置している。
 研究者たちは「公共と企業の両方の主体が相互に強化し合っている」と指摘し、ブラジリアが重要な公的機関を有し、その下位機関も多数存在しているため、多くの企業がこの都市に集まるという相乗効果があると述べている。企業が集中する都市では、富、金融の流れ、人口の集中が発生し、これらの都市では公共サービスの提供者としての国家の役割が重要であるとも指摘している。

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