
国連が毎年3月20日の国際幸福デーに発表する「世界幸福度報告書」によれば、ブラジルは世界で36位にランクインし、前年の44位から8位上昇した。南米地域で2番目、ラ米地域では4番目に幸せな国であるという結果が明らかになったと27日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。日本は前年の51位から四つ順位を下げ、55位となった。
この調査は、国連が英オックスフォード大学のウェルビーイング研究所と共同で実施したもので、147カ国から10万人以上が参加し、所得、健康寿命への期待、自由感、腐敗認識などの側面について10段階で評価を行い、過去3年間の平均を基に順位をつけた。
ランキングのトップは8年連続でフィンランドで、以下、デンマークが2位、アイスランドが3位と続き、北欧諸国が上位を占めた。これらの国々は政治的安定性、充実した医療・教育などの公共サービス、不平等の少なさなどが特徴で、それが国民の幸福度に大きく寄与しているという。
ブラジルより上位に位置する国々としては、南米では唯一ウルグアイが28位にランクイン。ラ米全体に目を向けるとコスタリカ(6位)、メキシコ(10位)、ベリーズ(25位)が挙げられる。
心理学者アマンダ・セリア・レベロ氏は、ブラジルの幸福度が高い理由として、現実には様々な困難に直面していても、ウェルビーイング(心身の健康に加え、社会的な充実感)を優先する文化的背景があると評価しており、生活の中でポジティブな要素をうまく取り入れる国民性が寄与していると解説している。
国の幸福度を測る指標として、グループでの食事回数が挙げられている。ラ米およびカリブ地域は、最も多くの食事を他者と共にとる地域で、週に約9回という結果が出ている。一方、南アジアは週に4回未満で、最も少ない地域であることが分かった。この調査では、他者と食事を共にする回数が多い人ほど健康的な食生活を送りやすい傾向があり、食事を共有することが社会的な絆を強化し、支え合いを促進する可能性があると示唆されている。
レビスタ・アナマリア誌27日付(3)によれば、オックスフォード幸福研究センター所長のヤン・エマニュエル・デ・ネーヴ氏は、社交的な集まりを促進する必要性を強調し、「孤立と分極化の時代に、私たちは再び人々をテーブルの周りに集める方法を見つける必要があります。これは、私たち個人と集団の幸福にとって不可欠です」と述べた。
国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)のジェフリー・サックス氏も、世界中の幸福は、人々の間の信頼と社会的つながりに依存しているとし、誰かと一緒に過ごすことが幸福感を大いに高めることを強調している。
同報告書は幸福が富の貧富よりも、信頼関係と優しさに結びついていることを明らかにしている。「日常生活における小さな行為は、絆を強め、共存を改善し、私たち自身の人生に対する満足度に良い影響を与えることができる。一般的に想像されるのとは反対に、世の中には私たちが信じているよりもはるかに多くの優しさが存在する」と結論した。