結婚式といえば、華やかで厳かな儀式を思い浮かべる人が多い。だが、あるブラジル人カップルはその常識を覆し、ポケモン、ナルト、スーパーマリオといった人気の「オタク文化」をふんだんに取り入れ、まるでアニメの世界から飛び出したようなユニークなセレモニーを実演した。その様子がインターネットに投稿されると、瞬く間に話題を呼び、オタク界隈を中心に大きな注目を集めていると1月25日付ジー・ショウなど（1）（2）が報じた。
インスタグラムで4万4500人のフォロワーを抱えるインフルエンサー、フェルナンダ・スンエさんが自身の結婚式の動画を投稿すると、公開からわずか3日で再生回数は490万回近くに達し、26万9000件以上の「いいね」と1万件を超えるコメントが寄せられた。フェルナンダさんはサンパウロ市を拠点にコスプレイヤーとして活動しており、「ブラジル・ゲーム・ショー2022」でチャンピオンに輝いた経歴を持つ。彼女の夫で心理学者のエドゥアルド・マルヤマさんも、同じくオタク文化を深く愛しているという。
フェルナンダさんは「結婚式はつまらないもの」という概念を覆したかったといい、花嫁のブーケには、伝統的な花々の代わりに、バラ型のポケモンボールとその上にピカチュウが飾られている。
また、結婚指輪の交換では、友人らが黒地に赤い雲模様をあしらった、アニメ「ナルト」に登場する犯罪者集団「暁」の衣装を着て登場し、ポケモンボールの中に指輪を入れて運んできた。
祭壇へと向かうバージンロードは花で飾られているが、その花壇は「スーパーマリオ」に登場するハテナブロックがモチーフになっていた。
さらに、誓いの言葉を交わす場面では、アニメの登場人物の決めポーズやテーマソングが使用されるなど、ユニークな要素が盛り込まれた。
コスプレに興味があるフォロワーにとっては、この式が魅力的に映ったが、ネット上では批判的なコメントも多く寄せられた。「母親の結婚式なら出席しても良いが、これは絶対行かないな」といった意見や、「これはお誕生日会なのか⁉︎」といった声が見受けられた。
一方でフェルナンダさんは、結婚式で最も大切なのは「新郎新婦にとっての幸福と、その意味」だと語り、「結婚式は二人にとっての特別な瞬間であり、そのセレモニーは2人の個性や歴史、そして2人をユニークにする要素を反映するべきだと思うの。伝統的であれ現代的であれ、シンプルでも派手でも、結婚式は2人の愛と絆を象徴するものじゃなきゃね」とコメントした。
