
人工知能(AI)による画像生成技術が急速に進化し、SNS上でさまざまなトレンドが生まれている。中でもOpenAI社が3月26日、ChatGPT最新モデル「GPT―4o」に高精度な画像生成機能を組み込んだ「4o Image Generation」を発表し、その機能を利用した「スタジオジブリ風AI画像」の作成が世界中で爆発的な人気を集めている。ブラジルでも多くの有名人が自身のアニメ風イラストを作成し、SNSに投稿して話題を呼んでいると3月31日付テッキ・トゥードなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
ブラジルでは元サッカー・ブラジル代表のロナウジーニョ、人気司会者のアナ・マリア・ブラガ、SBT局やCBN局のジャーナリスト、日系女優の相磯ブルーナらが自身のSNSに「ジブリ風」画像を投稿。労働者党(PT)の公式Xアカウントにもルーラ大統領と宮崎駿氏のツーショット画像が投稿された。著名人らの投稿が拡散されることで、さらに多くのユーザーがこのトレンドに興味を持ち、同様の画像を作成するようになった。
ユーザーはChatGPTの画像生成機能を選択し、チャットボットにスタジオジブリ風の画像を生成するように指示を入力することで、特定の人物やテーマに基づいたアニメ風の画像を簡単に作成できる。実際の写真をアップロードし、ジブリ風のアニメーションに変換することも可能だ。
この機能は当初、全ユーザー向けに公開されたが、想定を超える人気により、無料ユーザーへの提供が一時的に停止された。現在は有料プランのユーザーのみが利用できる状態で、同社はサーバーの負荷軽減を図っている。無料版の再開時期は未定だが、提供再開後は1日あたり最大3枚までの画像生成に制限される見込みだという。

だが、AIによる画像生成には倫理的な課題が存在する。SNS上では、有名人のAI画像が多数共有される一方で、歴史的事件をジブリ風に再現するなど、議論を呼ぶ利用法も見られた。例えば、2001年の米国同時多発テロやジョン・F・ケネディ元米大統領の暗殺事件をAIで再現する試みが物議を醸した。
著作権に関して、OpenAIの広報担当者は「我々の目的はユーザーにできるだけ創造的な自由を与えることだ。存命中の特定のアーティストの作風を模倣することは禁止しているが、スタジオジブリのような広範なスタイルを使用することは許可している」と説明し、今後もガイドラインを調整しながらAI画像生成の可能性を広げていくと方針だ。
現在、ChatGPT無料版では画像生成機能が利用できないが、GoogleのGeminiやGrokなどのAIツールを使えば、スタジオジブリ風の画像を作成することが可能だという。詳細なプロンプトを入力することで、希望に近いアニメ風のイラストを作成できるため、無料ユーザーの間ではこれらの代替ツールへの関心も高まっていると報じられた。