GDP40%成長のガイアナ=急成長の石油産業に「資源の呪い」

ガイアナを南北に流れるエセキボ川(Foto: Dan Lundberg, via Wikimedia Commons)
ガイアナを南北に流れるエセキボ川(Foto: Dan Lundberg, via Wikimedia Commons)

 ブラジル、ベネズエラ、スリナムと国境を接する小国ガイアナは近年、急速に石油産業の成長を遂げた石油産業により、急成長を遂げている。数年前まで「南米最貧国」といわれていた人口約82万人のガイアナでは、国内総生産(GDP)が2023年に33%以上、2024年には40%以上成長した。その一方で、環境問題や貧困層の生活向上には依然として課題が残り、専門家たちはガイアナが「資源の呪い」に陥るリスクを懸念していると、3月30日付CNNブラジル(1)が報じた。
 2025年には1日あたり65万バレルの石油を生産し、27年までに倍増する見込みで、世界有数の産油国としての地位を確立すると期待されている。
 その発端は、2015年に米国のエクソン・モービルが200km沖合で約110億バレルの大規模な海底油田を発見したことだ。2019年までには米国ヘスや中国海油(CNOOC)とともに商業的な採掘を開始。2035年までに世界で最も高い石油生産量の増加が見込まれている。
 その一方で、急激な生活費上昇が市民に重い負担を強いるなど、利益が国民全体に行き渡っていない。2023年のインフレ率は6・6%に達し、一部の食品の価格はそれ以上に急騰したため、一般市民の生活は困難を極めている。
 ガイアナは国土の約90%を占める広大な熱帯雨林を擁する。石油の採掘による経済成長を追求する一方で、環境保護と石油産業の両立が可能であるという政府の主張に対しては、批評家から懸念の声が上がる。特に、ガイアナが気候変動に非常に脆弱な国であり、海面上昇が2030年までに首都ジョージタウンに影響を与える可能性が指摘されている中、石油産業が温暖化対策に対して逆行する方向に進んでいるとの批判がある。
 ガイアナ政府とエクソンとの間には、石油採掘契約に関する問題も存在する。2016年に締結された契約において、エクソンは投資額の最大75%を利益から回収でき、その後の利益は50%がエクソンとそのパートナーに、残り50%が政府に分配される内容だった。この契約はガイアナ政府にとって不利なものであり、批評家たちはこの不均衡がガイアナにとって悪影響を及ぼすと警告した。
 国際弁護士のメリンダ・ジャンキ氏は「ガイアナ政府は無責任だ。実際には後退的で破壊的な発展の道を追っている」と批判した。石油産業への依存が続く限り、長期的な未来においてその持続可能性に疑問が残ると指摘し、「石油を掘るには遅すぎる」との懸念を表明。石油の利益が実際にはエクソンとそのパートナーにしか届かず、ガイアナにとっては短期的な利益に過ぎない可能性が高いと考えている。
 カリフォルニア大学の政治学教授マイケル・ロス氏は、ガイアナが「資源の呪い」に見舞われる可能性を指摘し、「外国からの金と突如として訪れるチャンスが、非常に限られた労働力や政府の能力と組み合わされると、多くの場合、腐敗を生む」と警告。隣国ベネズエラを例に挙げ、石油の巨大な富が政府の責任追及の低下と権威主義の強化を引き起こしたと指摘し、ガイアナが同じ道を辿る可能性に懸念を示した。

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